特製シロップ　果糖をベースにフルーツに合う甘さに調整

　●すべてのメニューに活用

　「FRUIT GARDEN 山口果物」では、果物販売と並行して2004年にカフェも開設。フルーツを使ったさまざまなメニューを考案しているが、そこで活躍するのが「特製シロップ」である。

　「もともとは、カフェのオープン前に、かき氷のソースに向けて開発したものです」と、山口直克店長。かき氷にかけるフルーツソースとして追求したのが、トッピングする果物本来の味を邪魔しない甘さだ。

　かき氷は冷たさが条件だが、甘味料としてグラニュー糖を使用した場合、温度が低いと甘味を感じなくなるために糖度を上げなくてはいけない。甘味が強いと・甘ったるい・印象になりかねず、砂糖の選択に思案したという。

　そこで、温度が下がるほど甘味を強く感じる・果糖・に着目。果糖と水で作る特製シロップと果物を合わせて、目指す甘さのフルーツソースに仕上げている。「果糖は少ない量で甘味が出せ、瞬間的に感じる糖度は高いがすっと引くのが特徴。後を引かないさっぱりした甘さが、果物にマッチします」。

　今では、かき氷はもちろんすべての飲食メニューの甘味に特製シロップを使用。同店ではジャムの製造も行っているが、特製シロップとグラニュー糖を配合するなど、使用する果物の成分に合わせて甘さを調節しているという。

　果物の魅力を生かしつつ力を発揮する特製シロップは、同店の甘味の基本として欠かせない・名脇役・となっている。

　●店舗情報

　「FRUIT GARDEN 山口果物　上本町本店」

　所在地＝大阪市中央区上本町西2-1-9