ご当地焼肉 北海道(2)苫小牧「金剛園」トマトカルビ 農産王国の完熟野菜で健康焼肉を提唱

2022.09.28 全国焼肉協会連携企画号
女性客から一番人気の「トマトカルビ」(757円・税込み)

女性客から一番人気の「トマトカルビ」(757円・税込み)

農産王国・北海道産の完熟野菜メニューを豊富にラインナップ

農産王国・北海道産の完熟野菜メニューを豊富にラインナップ

サプライズの歓喜を誘う「バーニャカウダ」(1100円・税込み) ※提供店舗限定・要確認

サプライズの歓喜を誘う「バーニャカウダ」(1100円・税込み) ※提供店舗限定・要確認

北海道産野菜のサラダバーで「肉を食べるなら3倍の野菜を食べよう」を推奨

北海道産野菜のサラダバーで「肉を食べるなら3倍の野菜を食べよう」を推奨

 焼肉は牛肉のおいしさが際立つため、肉の善し悪しばかりが注目され、地域や季節の特色はあまり語られない。ところがよく観察してみると、肉の部位、タレの味覚、調理方法など、地域の風土に育まれた「ご当地焼肉」が数多くある。今回は農産王国・北海道の「トマトカルビ」をご紹介!(事業協同組合 全国焼肉協会 広報担当理事 岡安秀一)

 苫小牧市内に焼肉5店を展開する「金剛園」は、地元では「野菜もおいしい焼肉店」として有名。サラダバーには常時、農産王国・北海道の地場野菜が約25品ラインアップされ、中でも近隣の恵庭市で契約栽培する鮮度抜群の完熟トマトが大好評。そのトマト人気が高じて「トマトカルビ」を作ってしまったほどだ。

 トマトカルビはトマトピューレをベースに、もみダレ、玉ネギみじん、ごま油などを配合したトマトダレに、カルビをもみ漬けしたヘルシー焼肉。トマトの酸味が心地よく、リコピンの美容イメージもあり、女性客から一番人気の支持を誇る。メニュー化は2015年。契約栽培する農園の規格外トマトに着目し、その活用法としてトマトダレを開発した。「トマトカルビ」は商標登録済み。市内のスーパーでは冷凍製品も製造している。

 野菜に注力する理由は、旭川出身の須藤精作社長が地産の完熟野菜を食べて育ったことに起因する。もぎたての味の濃い野菜を知っている須藤社長にとって、効率的に栽培され流通する野菜は、味気なく、面白くない。とりわけ完熟前に出荷されるトマトは使いたくない。創業以来、そのポリシーを持ち続け、野菜ソムリエの資格も取得して、自身で納得できる野菜だけを取り扱っているのだ。

 また、焼肉だけでなく、「野菜もきちんと食べて、健康的な食事を楽しんでほしい」という思いもある。同店の客層は家族客が主力だが、土地柄、単身赴任や出張などの個人客も多い。客層を問わず「肉を食べるなら3倍の野菜を食べよう」を提唱している。

 一方、サイドメニューで存在感を放つのが、本店限定(提供時期は要確認)でメニュー化している「バーニャカウダ」だ。焼肉そっちのけで、これ目当ての女性客も珍しくない。 使用野菜は、キャベツ、紫キャベツ、スナップエンドウ、赤・黄ピーマン、ブロッコリー、大根、カブ、ミニトマト、レタス。それらを、チーズ(マスカルポーネ)、生クリーム、アンチョビー、ニンニクなどを配合したソースに付けて食べる仕組みだ。

 「焼肉店の野菜料理といえば、焼き野菜か生野菜サラダ。もっと焼肉に合う野菜料理はないかと試行錯誤して開発しました」と語るのは濱輝仁営業部長。2010年の発売以来、日販10~15食の人気メニューに定着。「知らずに来店された女性客ならサプライズ間違いありません」と胸を張る。

 なによりユニークなのは本来のレシピと異なるソース。オリーブ油の代わりにチーズや生クリームを使っている点だ。「焼肉との食べ合わせには乳製品がマッチします。韓国でも肉類とチーズの組み合わせが流行っていますし」と濱さん。「ソースに焼肉を付けて食べる客も増えています」という。

 高品質な完熟野菜を厳選すると種類や数量の確保が難しく、当日朝のソース作りも煩雑なため、提供する時期は限られる。「名物になるのは嬉しいのですが、採算と手間はホントに大変」(濱さん)というのが本音だという。

 ●店舗情報

 「金剛園」

 所在地:本店・北海道苫小牧市新中野町3-9-6

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