宝食品工業が何度冷凍しても水分を保つ生パン粉開発
【大阪】業務用パン粉メーカーの宝食品工業(株)(和歌山市、0734・71・1558)は、冷凍、解凍を何度繰り返してもできたてと同様の水分を保つ生パン粉を開発した。従来の生パン粉は冷凍食品などに加工する過程で水分が出て硬くなるのがネックとされていたため、同社では今回の開発を「日本では初めて」として自信を持っている。今後、冷食メーカーなどに対し積極的にアピールしていく方針だ。
今回の開発された新しい生パン粉は、得意先のニーズに応えて数ヵ月前から開発に取り組んでいたもので、製法は公開していないが、添加物などは使用していないという。価格は据え置きで、既に従来品からの切り替えを進めている。
生パン粉は乾燥パン粉に比べて水分を多く含んでおり、風味も良いことから冷食メーカーなど業務用に幅広く使用されている。しかし、冷凍食品などに加工される際、冷凍した状態で納入された生パン粉を解凍してコロッケなどに衣づけし、また冷凍して商品として出荷するというように冷解凍を繰り返すため、どうしても水分が出て硬くなってしまうのが難点だった。
同社は業務用専門のパン粉メーカー大手で、近畿、中四国をはじめ全国に商品を出荷している。現在では全出荷量の約四割を生パン粉が占めており、今回の新商品を冷食メーカーや業務用問屋などの得意先に対して積極的にアピールしていくことで、売上げ拡大を図る。