ミントで夏バテに王手だ 目指せ“ハブ”名人
夏祭りの王「ねぶた」は、ねむた(睡魔)を追い払うための祭りという。忙しい秋の収穫期に備え、身体の調子を整えておこうよという昔の人の知恵である。夏は本来、ねむたい季節なのだ。
目覚めの特効薬といえば、ミント。オランダミントは別名メザメ草ともいわれ生葉を目に貼って目薬としても使われる。「スゥーッとしてカァーッとくる」。肩こりに湿布を貼ると一瞬ひんやりして後から不思議に温まる。口臭緩和でお馴染みのペパーミントはお風呂に入れると身体の痛みや疲れをとる作用もある。
暑気払いには冷たく冷やしたミントティー。ミントの効果で身体も頭もスキッと冴えまくる。さらに健胃効果もあるので二日酔いにも最適だ。
ミントだけではなくハーブティーは、乾燥した茶葉より、生の葉を使う方が香りもビタミン含有量も豊富。しかしどうもアオくさくって馴染めないという人は、ビールやカルピスで割ってみては?
ハーブ初心者のアナタも旬のミントでめざせ「ハブ」名人!
「ここは何の畑ですか」「“はぶ”です」「はぶぅ?」「はぶですよ、はぶ」。沖縄のヘビかと思いきや、どうやらハーブのことらしい。
千葉県夷隅郡の岩瀬氏は、養蚕業から転向して今年、ハーブの栽培を始めた。ハーブブームで一般のスーパーでも生葉を扱う店が増え、東京近郊にはハーブ農家が増えている。
今はミントの花が満開。ハーブだミントだというとおニューな感覚だが、日本では昔からミント(ハッカ)の栽培はとても盛んだった。ミントとハッカは同じシソ科の多年草の一種だが、ペパーミントやクールミントなどの西洋種に比べて和種ハッカはメントール成分をとても多く含むため、刺激が強い。製薬には欠かせぬ材料として珍重された。
今でもハッカを使った薬は、塗り薬やタバコ、歯磨き粉、ガム、のど飴、かゆみ止めなど生活のあらゆるシーンで活躍している。
干し草から抽出するハッカ油は、昭和初期に一・八リットル八〇〇〇円以上の値がつく貴重品で、北海道創成の古きよき時代のハッカ農家といえば呉服商がつきまとう超大金持ちが多かったとか。
一時は世界総生産量の七割を北海道産が占め、世界への輸出も盛んだったが、その後人工的に薬が作られるようになり、また和種ハッカは製油に非常に手が掛かることもあって今ではほとんど作られていない。
ところが、近頃また和種ハッカ人気が復活している。
口臭防止や禁煙でミントキャンディーがやみつきになり、さらにさらにストロング&ハードな刺激を求める若者が増えており、「ミントハイ」現象が起きているのだ。
思わぬミントブームで再燃した和種ハッカ人気、今後ますます盛んになりそう。