今月のイチ押し商品:梅の「月向農園」
日本一の梅の里、和歌山県みなべの山々は、おしろいで薄化粧をほどこしたかのように、一面が白く霞んでいる。草木の中でいち早く花を咲かせる「百花の魁」、梅の花はこれから満開のシーズンを迎える。
寒さの中、壊れそうな蕾が1つ開き、2つ開き…。いつしか暖かな日が続き、その後に年に1度か2度、幻のような「香雲丘」が現れるという。梅の花が咲き乱れた丘が連なる幽玄の世界。あまり天気が良すぎる日よりも曇天、あるいは少しの雨模様。すべての条件がそろった時、訪れる。それは明日かもしれないし、来週かもしれない。ミツバチは忙しく、花から花へ飛び回る。
梅干しに梅酒。身体に良くて、おいしくての身近な食材が生まれる、生命の神秘の原点、そのドラマに立ち合えるかもしれないのはいまだけだ。
『月向農園』のデッキからは、海の向こうの四国も見えるという。日没を待ちながら、ゆっくりお手製の梅ジュースをいただく。これから生まれる梅の実に思いをはせるのは、最高のぜいたくだろう。
紀州まで足を伸ばせない人は、インターネットで農園のいまを散策するのも一興だ。
▼月向農園
和歌山県日高郡みなべ町晩稲月向山
電話0739・74・2453
http://www.minabe.net/