月刊・漢方美人:お肌がカサカサ、気になって…

2005.11.10 124号 8面

Q.秋になると、いつもと同じお手入れをしているのに、お肌がカサカサ。髪もパサつく気がするのですが…。(30代女性)

A.陰虚(身体に必要な潤いが不足した状態)が主な原因です。

◆潤いを奪う秋の「燥」

「季節の変わり目には注意」とはよく言われますが、中医学では、変わり目のみならず、季節に応じた健康管理、美容対策を大切にしています。

秋は乾燥の季節。五行学説でいうところの主気は「燥」で、自然界のあらゆるものから潤いが奪われていきます。

植物がこの時期、一斉に葉を落とすのは、燥によって少なくなった水分の使用を必要最低限に抑えるためですが、残念ながら、人間はそういうわけにはいきません。燥により、身体に必要な潤いが奪われてしまい、肌や髪もカサつきがちになるのです。また、血虚(血液の不足)もカサつきと深く関係しています。

この季節は、いつも以上に保湿が必要です。クリームなど外からのケアも欠かせませんが、何より重要なのは、潤いや血液を体内で作り出すようにすること。潤いを補う「補陰」効果のあるヤマイモやレンコン、血液を作る「補血」効果のあるナツメ、プルーンやレーズンなどの食材を積極的に取り入れてみてください。

◆カサカサ対策には肺の機能アップも

中医学では、皮膚は「肺」によってコントロールされていると考えます。肺には「エネルギー(気)」や身体を潤す作用のある「陰分」を全身に行き渡らせる働きがありますが、肺は燥にとても弱いため、秋にはこの機能がダウンしてしまいます。陰分が減っている上に、行き渡らないのですから、カサつくのも当然です。

補陰、補血とともに、肺の機能アップも潤い対策には欠かせません。潤肺作用のある梨や銀杏、白キクラゲを多く食べるように心がけましょう。

この季節のお手入れを怠ると、肌と髪の老化は一気に加速します。翌春の肌のトラブルを招くことにも。十分に気をつけてください。

◆オススメは『婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)』+『西洋人参茶』

『婦宝当帰膠』は、女性に不足しがちな血を養い全身に潤いを与える「当帰」が主成分。西洋人参は補陰効果が高いので、『西洋人参茶』はこの季節にはぴったりです。

◆シノアカフェ ドライフルーツの茶煮

繊維質がいっぱい含まれているドライフルーツは便秘や肌荒れに効果抜群。

〈材料(作りやすい分量)〉

・水………………2カップ

・ウーロン茶の茶葉………………大さじ2

・ドライフルーツ

干しアンズ…………50g

プルーン……………50g

レーズン……………50g

イチジク……………50g

クランべリー………50g

・グラニュー糖…大さじ1

・ラム酒…………大さじ1

〈作り方〉

(1)鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したらウーロン茶の茶葉を入れて2~3分煮る。

(2)(1)をこして茶葉を除き、ドライフルーツ、グラニュー糖を入れ、30分~1時間ほど漬ける。ラム酒を加えて混ぜる。

(3)食べる直前にざるにあけ、汁気を切る。

『お部屋で「薬膳カフェ」』(七沢なおみ著・祥伝社)から

◆東洋エクササイズ 〈肌荒れ〉

皮膚は内臓を写す鏡。内臓の働きが鈍れば肌がカサつく、張りがなくなる、くすむなどのトラブルが起こってくる。

イラストのようにイスに腰掛け、身体を潤し血(けつ)を補うツボである血海(けっかい=ひざの皿の内側上から指2本分上)・三陰交(さんいんこう=内くるぶしから指4本分上)を押す。(リズムをとって前かがみになり、自分の体重を使いながら)いずれも体調を整え、肌のくすみをとり、潤いに必要な血を補ってくれるツボ。ともに女性は右脚から、次に左脚(男性は逆)。9回を3クール。寝る前や朝起きた時に押すといい。

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