全国ヘルシー特派員 「餡は和菓子の生命です」福居製餡所・福居恵美子社長
“餡(あん)は菓子の命”と、今年で創業五○周年を迎える(株)福居製餡所(旭川市、TEL0166・31・5001)の福居恵美子社長は、健康志向や昨今の自然食品ブームに乗って「餡のすばらしさ」を大いにPRしている。
「餡はスマートな甘さのある自然食品、添加物は一切入っていません。自然食品であるだけでなく、甘さも控えめ。カロリーを抑えてあるので、糖尿病などの持病をかかえている人でも安心して食べられる。小豆のおいしさ、和菓子のおいしさを追求すれば、餡にこだわり続けることになる」という福居社長。
「餡は和菓子の生命です」と強調する。
同社創業の歴史は福居社長の父である現会長、福居安一氏が個人経営で製餡業を開いたのがはじまり。その会長も今年で九○歳を迎えますます元気、現役で活躍中だ。
福居恵美子社長のこだわりは、餡だけでなく、発祥の地・旭川にもある。
社長に就任して今年で五年目、創業当時を思い出し、「昔は家族をいれても従業員は七~八人、家内工業的なものだった」と当時を振り返る。注文や配達、帳簿付けなど、すべて一人でこなしていたという。
「そこで出会った人たちにいろいろなアイデアをもらいました」。友好の輪は、道内はもとより、東京、大阪まで広がっている。
食品業界でも女性経営者は数少ない。女性ならではのきめ細かい心配り、いつもほほ笑みを絶やさない人柄は、確かに魅力的だ。
「これまで、ただひたすら一生懸命餡をつくり、売ってきただけなんです」。福居社長の温厚な眼差しは、何か餡のような落ち着いた親しみやすさを感じさせる。