読者のひろば 飽食時代のはざまで

1997.06.10 21号 13面

栄養表示商品が多くなった。コンビニをのぞいてみると、弁当をはじめ菓子、缶ジュース、若い世代の好むヨーグルトやアイスクリームにも表示がある。見ていると大変興味深い。品物を手に取ると栄養表示欄を探すクセがついた。カルシウムを摂りたい時やカロリーを控えたい時にはこの表示がとても便利なものだ。ミネラルやマグネシウムをどの食品が多く含んでいるのかといった勉強にもなるし、ココア製品の栄養の充実ぶりに驚かされることもある。

ファミリーレストランのメニューでもカロリー表示を見かけると、カロリーの高い揚げ物や生クリーム料理を避けてしまう。そんな時にはあれもダメ、これもダメという気持ちになり、特に一○○○キロカロリー以上もあるとんかつ御膳には手が出ない。それが、カロリー表示のない、ふつうの食堂へ行き「ここのとんかつ定食うまいんだ」などと言われれば、ためらうことなく注文してしまうからおかしなものだ。

食事とは楽しい行事であるべきもの。食後の後悔などしたくない。本当のところはカロリーオーバーなんのその、おいしさを堪能したい。

飽食の時代で、おいしいものが普及し、ますます外食産業は栄え、食卓は豊かになるであろう。消費者である私たちが賢く利用することを迫られる時代になったと痛感する。(三ッ木和男、岡山県・52歳)

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