本の中から シンデレラ気分のトライフルケーキ

1997.12.10 27号 19面

◆ガラスのくつ

シンデレラといえば玉の輿の代名詞。でもこの童話をもとに書かれた“ガラスのくつ”というお話はひと味違う。

継母にいじめられる少女は芯の強い、明るく前向きな性格だ。優しいが後妻に頭の上がらぬ父と繊細で憂鬱な王子の心を救って、自ら幸せをつかみ取る。

古い版だが名訳で、舞踏会の食事場面は心に残る。特にスプーンですくって食べるトライフルケーキがとてもおいしそう。調べてみると、英国の伝統的なデザートだった。固くなったスポンジケーキをおいしく食べるための工夫で、一八世紀頃から現在のスタイルになったようだ。まずスポンジと果物を角切りにしてシェリー酒と果汁を十分染み込ませる。その上にカスタードクリームをのせてよく冷やし、最後に八分立ての生クリームをたっぷり。市販品で簡単に出来る。ガラスのボウルにたくさん作って分けてもいい。

今年のクリスマスはトライフルケーキでシンデレラの気分はいかが?(A)

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