飽食の裏側-食の再点検:「塩」 自然塩ブーム、成分の違いに注目
塩を話題に取り上げて今回で四回目となった。塩の専売制廃止、塩と健康との因果関係、正しい減塩対策などについて検証したが、いよいよ多種多様に揃ったシオはどんな違いがあるのかを検証してみたい。
いまブームとなって店頭を賑わしているシオは「自然塩」と呼ばれる海水を天日で干して作るものや、岩塩などから作られた物。そのブームとなっている理由には味はもちろんのこと、成分の違いにあるようだ。
専売制の廃止以前にも、「自然塩」、「天然塩」と銘を打っている塩も販売されていたが、その大部分はにがりの成分を混ぜ込んだ再製加工塩が大部分を占めていた。これが従来の日本の塩。その製造方法は天候に左右されない「イオン交換膜法」で、塩化ナトリウムの純度は九九%以上の塩が製造される。味はご存じの通り「しょっぱい」味だ。
対して専売制の廃止に伴い販売が可能になった自然塩はマグネシウム、カリウム、カルシウムなどが豊富に含まれる。塩化ナトリウムの純度が五○%前後の塩もある。味についても「しょっぱい」はもちろんあるが、従来の塩との違いは明らかに分かる。
たとえば、全米の減塩市場で九五%の供給率を持つモートンソルト社の「ライトソルト」は日本の厚生省から「厚生大臣許可・特別用途食品」の承認を受けた初めての塩。塩化ナトリウムが四九・五%と低く、使用量を減らさず減塩率五○%を可能にできる。
「いい塩梅」で味つけができ、ヘルシーが実行できる飽食の時代の到来だ。











