色とヘルシーライフ:青いお皿はどうして多いの?

1995.12.10 3号 13面

前回のダイニングルームの部屋づくりに続き、今回は食器の色について考えてみたい。

ダイニングルームの話の中で、寒色系・ブルーベース(青の分量の多いさわやかな色彩群)の色は物を食べる環境に適さないということが出たが、和食の器には藍色の物が多い。洋食器にもロイヤルブルーをあしらったシリーズがある。

これはどうしてかというと、暖色系が多い食べ物の反対色だから。反対色を補色として用いると、メニューを一層イキイキと引き立てる効果がある。

食べ物には黒い物、黒っぽい物は少ない。和食は、ゴマ・のり・コンブなどこの例外となる食材が多い分野とされる。西洋料理個有の食材でこれに当たる物というと、キャビアくらいしか思い出せない。両方に登場する食材としてはナス・ブドウなどか。いずれにしてもおおむねこれ以外の物は、暖色系で成り立っている。また豆腐や素麺の白など、他の色では置き換えのきかない個有色が多いというのも食品の特性とされる。

器選びは、主役である食材のこれらの特徴を理解し、それがいかに映えるかをポイントに進める。

そこで登場するのが前述の藍色やホワイト、土の色などのアースカラー。和食の器には黒塗りもあるがこれも黒が食材にはない色だから。白の器よりも高級感が増し、食べる側に満足感を与えることが確認されている。

食材の反対色、補色としてのブルーや黒は、あくまでも食器程度に抑える。たとえばもっと面積の広いテーブルクロスに目の覚めるようなブルーを用いたりすると、やはり緊張感が高まる、新陳代謝が抑制されるなどの現象が起こり、食欲は減退する。

食欲を高める基本は暖色系・イエローベース(黄色の分量の多いあたたかみのある色彩群)であることをお忘れなく。

(指導=カラーリスト・五味ふさえ氏)

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