気になる話題 「ピスタチオ」

1998.08.10 35号 19面

ある面からは女王とも呼ばれる彼女。その身持ちはとても硬い。しかし彼女は誘っても、くる。口元は怪しく、ほんの少し開いて、中にはおいしそうな……。

その名はナッツの女王、ピスタチオ。アイボリー色の硬い殻の中から見える実は鮮やかな緑。エメラルドジュム=緑の宝石とも称される。風味高くコクのある味わい。しかし女王は味や見かけだけではない。中身で勝負なのだ。健康食としてもその名を上げてきているという。

ナッツというと太る、脂の取りすぎ等々、ついつい警戒してしまう食べ物。しかしピスタチオに含まれる脂質のほとんどは悪玉コレステロールを低下させ、しかも善玉コレステロールは下げないという働きをもつ一価不飽和酸。これは動脈硬化を防ぐ効果もある。

一九九三年、アイオワ州で行われた「女性健康調査」でナッツが心臓病に効果があるということも明らかになった。以来動物性脂肪の摂り過ぎを気にするアメリカではピスタチオナッツが健康食として奨励されている。

また多量の酒を飲むと体内のカリウム値は低下、ビタミンも破壊されやすくなる。そんな時、食物繊維、カロチン、ビタミン B1、E、カリウム、鉄などが豊富なピスタチオが失った栄養を取り戻すという素晴らしい力を発揮する。まさに理想的な酒のつまみといえそうだ。

さぁ、今日もかたーい身持ちの彼女の実、食べてしまおうではないか。

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