食品の期待と危険(セミナーから):抗酸化成分による疾病予防研究
老化や疾病の原因、活性酸素。その活動を抑制する抗酸化食品が注目されています。とくに植物の持つ天然色素に高い抗酸化成分があり、紫キャベツや赤ワインなどの赤紫色の色素や、ウコンの黄色なども同等の力を持っています。ウコンは、インドではターメリックと呼ばれカレーに欠かせない香辛料として有名ですが、食べる以外にも、結婚前の女性が皮膚に塗ったり、産後のへその尾に塗ったりします。
しかし、皮膚に塗る場合と食べる場合では、効果がちがいます。食べる場合は、腸で十分に吸収されないと抗酸化効果は発揮されません。また、金属系の成分と一緒になると、逆に酸化が促進されてしまいます。
大切なのは組み合わせ。どう食べ合わせるかです。ポリフェノールはじめ、ビタミンCやβカロチンなどの成分はたしかに身体のサビつき=酸化を防止する作用を持ちますが、それらを薬のようなもので単一的に補うのは、逆に危険です。例えばβカロチンを単一的に摂取したことで、発ガンを促進した例も報告されています。
健康食品を選ぶ際にも、単一の成分を取り出して作られたものでなく、なるべく相乗効果を持つような複数の成分からでき上がっている製品を選ぶのが望ましいでしょう。
カレーに不可欠な香辛料・ターメリック(ウコン)。ショウガ科の植物で、料理には球茎を煮て乾かしパウダー状にしたものを使う。「この黄色色素・クルクミンも、抗酸化物質として、食品や生命体のなかでの酸化を防止し、活性酸素を除去します。アメリカで特に注目を集め、皮膚ガンや大腸ガンの抑制効果などが報告されているポリフェノールの一種です」と大澤先生。
インドでは、このウコンを肌に塗って天然痘や水疱瘡の予防をしたり、体質改善・皮膚病にも用いられる。脂肪を減らしコレステロールを抑制し、肌にツヤを与える働きがあるとされている。インド料理店ナタラジ(東京都杉並、Tel03・3398・5108)の料理長サダナンダさんは「のどが痛いときにウコンを飲みます。牛乳に粉末のウコンを溶かし、ショウガ汁と黒砂糖を加えたものは風邪の特効薬です。その他、傷口の治療に軟膏として利用します」。
日本でも古くからタクアンの着色、衣料の染色、また肝臓病・健胃・利胆薬などにも使われてきた。わが国で一番の長寿県・沖縄では、ウコンは「ウッチン」と呼ばれ、料理やお茶などの飲み物として親しまれている。少量のウコンを溶かした水で野菜を洗ったり、ワカメを戻したりすると光沢が全く違ってくる。抗菌作用もあるので、洗剤代わりにもなる。