カエル先生のかんたんストレッチ 目指せ!引き締まったお腹
身体の中で気になる部分はどこでしょうか? この質問に対して多くの人が“お腹”と答えるそうです。「お腹さえ引っ込めば…」と思っても、脂肪は全身まんべんなく減っていくもので、原則として部分ヤセは不可能というのが定説です。しかし、よく使い、動かす部分は筋肉も発達し、脂肪がつきにくいのです。「よく使え、って言っても、四六時中、腹筋運動をやっている暇はない!」と思っているあなた、何も寝転がらなくても腹筋はしっかり鍛えられますよ。
バレリーナのお腹、見たことがありますか? 特別に腹筋運動をしている訳ではないのに、きっちり引き締まっています(食事管理によるところも大きいのですが…)。ただ手足を動かしているのではなく、すべての動作をしっかりお腹で支えるということで腹筋がしっかりしていくのです。日常生活のちょっとした動作を、お腹から支えて動かしてみましょう。
ルール(1) 手足、胴体、すべての身体はお腹が根本で、ここから生えているとイメージする
ルール(2) すべての動作はお腹(身体の中心)から始まることを意識する
これをふまえて右手を挙げてみよう。
【ポイント】お腹から右肩が遠くにいくように右胸をはる(首はすくめないで!)/肩からなるべく遠くに肘をひき上げる/いつもの腕の長さより一~二センチ長くなるように右手を伸ばし上げる。
これは大きな動作の例ですが、小さな動作のときも末端(手先、足先)ばかりに気をとられて、中心(腹)中間地点(肩・肘・ヒザなど)がゆるまないようにします。
ふだん動作の一瞬にこれだけ身体を使えているでしょうか? 慣れるまではゆっくりでよいので、動作を分解してお腹から組み立てる練習をしてください。
例えば…両手を挙げ、伸びをする
(1)両手を組む(2)上半身を小さく左右に振りながら、お腹から順番に胴体を引き上げ、上に伸ばしていく(3)胴体がしっかり伸びてきたところで腕を伸ばしていく(ワインなどのコルク栓を左右にずらしながらビンから引き抜くイメージ)。
日常のちょっとした動作…棚の上段から皿を取る・歩く・ホームで電車を待つ・吊革に手を伸ばすなど、意識の違いで見た目も身体の内側も美しくなります。毎日一つでも多くの動作をお腹からの動作に変えてください。ちなみに自分の身体が中心から動いていると意識できると「“伸び伸びストロー”を、蛇腹に縮んだ状態から、引っぱってまっすぐに伸ばした」、そんなイメージが頭のなかにふくらんできます。
(スポーツインストラクター・高杉節子)