食料自給率一挙に回復 94年度コメ豊作で10年ぶり
農水省は九四年度の食料自給率(カロリーベース)が四六%と発表した。
過去最低だった九三年度の三七%から一挙に九ポイントの上昇率となった。これは九四年は前年の冷害によるコメ大凶作が一転し、高温・多照といった記録的な猛暑から大豊作となり、コメの自給率(需要量に対する国内の生産量の割合)が前年度の七五%から一二〇%に高まったことによる。自給率が前年より上向いたのは八四年度以来で一〇年ぶり。穀物自給率も前年度の二二%から三三%に上昇した。しかしコメ以外の主要農産物の自給率は小麦が九%と二桁台を割り、野菜、果実、肉類など軒並み低下した。(1)円高に伴う輸入農産物の増加(2)コメ需要が減少し、肉類の消費が増えるなどの食生活の変化(3)九四年度の猛暑や作付面積減の影響で野菜や果実の生産量が減少などが要因だ。
コメの国民一人当たり年間の需要は、前年度の未曽有の不作とそれに伴う輸入米の販売が嫌われ、前年度比四・二%減(二・九キログラム減)の六六・三キログラムとなった。