自由時間術:秋空の中、ひたすら歩く休日
「健康に良いこと何かやっていますか」……「はい、歩いてます」。最近は、そんな答えも多いはず。今回は休日の一日を究極の歩く大会「かち歩き大会」に参加した。
(社)青少年交友協会が主催する「かち歩き大会」は秋晴れの11月21日(日)に行われた。東京都庁そば、新宿中央公園をスタートに、ゴールは遙か先の青梅。その距離は四三キロ。飲み食いせず、ただひたすらに歩くのがかち歩き。「かち」とは「徒」と「勝ち」をかけたもので長い距離を飲まない、食べないで歩くことに意義があるという。当日の参加人数は約二〇〇〇人。8時30分にスタートした。さて何人がゴールまでたどりつけるか?
最初の一〇キロ地点までは準備運動を兼ね時速約五キロのペースで列を崩さず団体歩行。このあたりはまだ話し声も多く和気あいあい、みんな楽しげ。我々編集部チームも、その周辺のおいしいお店やゴールしたらドコで何を食べようかなど明るい話題。「なかなか楽しいじゃん!」気分だった。
さて、この大会は今回で六一回。参加者は老若男女いろいろ。元気はつらつに歩く年配の人、手をつなぎ二人の世界を保ちつつ歩くカップル、いつも一緒に歩いているグループかなと思われる熟年の女性たち、子供数人のチームなど本当に様々。「私は七五ですが、おいくつですか」と同じ年ぐらいの人に声をかける人。アイドルの歌を歌いながら歩いている少女数人。しかしまぁ、こんな明るい光景も三〇キロ地点までのことだった。残り一〇キロ、へばっている少年に「ボク、頑張って歩こう」と声をかける女性や「後どのくらい?」を連発するか細い声が……。
飲まず食わずのかち歩き。のどが渇く、お腹がすく……だろうと心配していたが、これはさほどでもなかった。そんなことよりとにかく足が痛い。休憩したいけど、止まってしまうと、もっと足が痛い、痛い、痛い。
ゴールが見えた頃、すっかり日は落ちていた。約九時間の歩行。感無量、イヤ何も考えられない状況。スポーツの秋だもん。こんな一日もたまにならいいか。
次回は平成12年3月19日(日)の開催予定。問い合わせは青少年交友協会(03・3262・7471)まで。