みんなの相談室 奥歯を抜いたが後遺症は

1996.03.10 6号 19面

Q・下の奥歯を一〇年前に抜きました。そのままにしていますが放っておくとどのような支障がありますか。(30歳、女性)

A まず咬み合わせの状況により治療が必要かどうかを判断します。

一般的には二八本(親しらずを除く)の揃った歯列で咀しゃく力や過大なストレス(歯ぎしり、くいしばりなど)に対し、力の分散により個々の歯が受ける衝撃が軽減されます。また唾液には口内循環による自浄、自衛作用があるが欠けた歯があるとこの作用が低下します。図Bののように欠けた歯があると(1)噛む力の低下(2)歯の傾きによる不潔域の増大(3)対合歯の伸び(4)歯と歯の間にすきまができる(4)噛み合わせが変わることで顎の変位が起こる、などが考えられます。

以上のことから二大疾患であるむし歯と歯周病を起こしやすく加えて顎関節がおかしくなる原因となることもあります。

歯は並び方、本数など人それぞれ違います。念入りな手入れの仕方により良好に保つこともできます。アドバイスを受けるためにも、早く歯科医に診察してもらうことをお勧めします。

(指導=大阪市・野上歯科医院・野上松秀先生)

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