百歳への招待「長寿の源」食材を追う:松葉茶

2000.10.10 62号 11面

松はマツ科の常緑高木で、北半球だけでも八〇種ほどみられ、日本にはアカマツ・クロマツ・チョウセンゴヨウ・ゴヨウマツ・リュウキュウマツなど六種がみられる。このほかアカクロマツ・ハッコウダゴヨウの二種が自生し、世界全体では一〇〇種近くみられる。しかし代表的なものはアカマツとクロマツである。

中国では、松は生命力の強い木とみられ、松葉は松毛・山松須・松針などと呼んで薬効が高く、中薬大辞典にその効能が多く記されている。日本でも松葉を民間薬として広く用いていた。林羅山が幕府に献上した明時代の李時珍著による『本草網目』には松葉の効能が記され、「松を服すると強壮になり、歯を固め、目や耳をよくし、瘡を治し、久しく服すれば身軽く、不老延年となる」とある。

また中国の最古の薬物書『神農本草経』には「五臓を整え、久しく服すると身が軽くなり、年を取らず長生きできる」と記されている。

現在では松葉の効能が科学的に分析され、葉緑素、樹脂、酵素、鉄分、ビタミンK・A・Cなどが含まれていると発表されている。葉緑素は動物の血液中にあるヘモグロビン(血色素)と構造が似ている。血液を作り浄化する作用があるとみられる。また傷を治す働きもあり、外傷の治療ばかりでなく、胃潰瘍や歯槽膿漏にも効果的とされる。

精油は松ヤニに多く含まれている成分で、この中に含まれている不飽和脂肪酸はコレステロール除去の働きもする。またビタミンKは老化防止によく、Aは目や皮膚によい。Cは貧血に対し優れた作用がみられる。鉄分が貧血予防によいのは周知の通りである。

松葉の利用法として松葉茶・松葉酒・松葉風呂などが挙げられる。松葉茶の場合、できればアカマツを使うことをお勧めする。入手できなければクロマツでもよい。

常緑樹なので一年中採取できるが、なるべく若い葉を使うとよい。松葉は公害に弱く、道路沿いや葉に勢いのないものは避けること。採取した松葉は水で洗って、二センチ程度の長さに切り陰干しする。完全に乾燥したら密封保存すること。

入れ方は乾燥松葉を一握り、五〇〇~六〇〇ミリリットルの水に入れ、弱火で一時間ほど煎じ、水の量が半分ぐらいになったら出来上がり。松葉茶をこして飲めばよい。これを一日三回に分けて飲むが、いつ飲んでもよい。その日に作ったものはその日に飲むのが原則である。常飲していると、高血圧に効果が大きい。

松葉茶は強壮作用もあり、不老長寿の妙薬とされている。中国では松葉茶がボケ防止によいとして愛飲されたり、不眠症にもよいとするファンが多くみられる。まさに松葉茶は万病によく、神秘的な薬効あり‐‐として、これを不老と結びつける多くの信者がみられ、注目すべき食材といえよう。

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