自由時間術:華やかなランの香りに魅せられて

2001.02.10 66号 5面

ランの花の香りをかいだことありますか?「ランはとても多品種で、香りもまたさまざま。高貴なムスク(じゃこう)のように香るものや、スミレ、バニラ、中にはキュウリやスイカ似のものも。上品で華麗な香りを持つものが多く、香気成分の研究対象としても興味深い植物です」と教えてくれたのは(株)資生堂研究所顧問でパヒューマー、「国際香りと文化の会」会長でもある中村祥二さん。

「いい香りとは、身の回りに置いた時、ずっとそばに置きたいと思うもの。香りの好みには個人差がありますが、虫には好かれても人間は好かない香りもあるし、強すぎる香りも快感といえません」。

試しに目の前の鉢植えのランをかいでみると……あれ? 香りがしない。「ランの香りは時間によって変わります。夜飛ぶ蛾たちの気を惹こうと夜だけ香るランもあれば、朝だけ香るランもある。またランはとてもストレスを受けやすく、少し移動させただけでも香らなくなったりします」。

それから、自分の嗅覚も問題かも!? 「人間の嗅覚は訓練で鍛えられます。とくに、知らない香りは感じにくいもの。ランに限らず、いろいろな花の香りをかいでみて。どんどん香りの感受性が鋭くなりますよ」。鼻を鍛えることも、花を楽しむポイントのようだ。

各地でラン展が開かれるこの時期、ラン栽培のプロ・アマが丹精こめて育てたランや、熱帯雨林の高山に自生する原種ランなどを、目で鼻で堪能してみよう。

◇これから行われるラン展

●2月24日~3月4日「世界ラン展日本大賞2001」東京ドーム・ビッグエッグ。03・3563・7879

●3月15日~21日「アジア太平洋蘭会議・蘭展」名古屋市・ナゴヤドーム。052・961・2111

●3月27日~4月1日「神戸らん展」神戸国際展示場。078・322・5360

●3月30日~4月3日「ふくしま国際蘭展」福島県郡山市・ビッグパレット。024・924・1100

●5月1日~5日「蘭おかやま」岡山市・コンベックス岡山。086・292・0698

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