自由時間術:究極のワイン・シャンパンを学ぶ

2001.03.10 67号 5面

「おめでとう。かんぱぁーい!」コルクを抜くと立ちのぼるさわやかな香り・きらめく泡。感動的な場面にシャンパンがあると、喜びがふくらむ。フランスでは、祝いの席はもちろん、気軽な家庭の集まりでもレストランでのお食事でも「とりあえず一杯のシャンパン」から始まるという。日本でも最近、カフェなどでグラス一杯から気軽に飲めるようになり、贈り物としても人気が高まっている。シャンパンの基礎知識について、シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会日本事務所代表の川村玲子さんに聞いた。

プレゼントされたシャンパン、もったいなくてつい寝かせきり。どのくらいもちますか?

「シャンパンの保存期間は、冷暗所で一~二年。味わうときは八~一〇度ほどに冷やしましょう。氷を入れたクーラーに入れて二〇分、冷蔵庫なら三時間で飲み頃になります」

開けるのがひと苦労で…

「ため息のようなかすかな音、またはユリの花が開くときの音をたてて開けるのが理想。まず、コルクワイヤーをはずし、コルク栓を抑えながら握ります。ボトルの底をつかんでビンの方を回すようにすると、栓は中の圧力に押されて自然に抜け始めます。トライしてみてください」

シャンパンの泡の正体って?

「ワインを作る工程で、酵母が糖分を分解すると、アルコールと炭酸ガスになる。こうしてボトルの中に閉じこめられた自然の炭酸ガスが泡の正体です。シャンパーニュ地方の人々は、何世紀にもわたって努力を傾け、この自然現象を思い通りにコントロールすることに成功し、極上のきめ細やかな泡がいつまでも立ちのぼる見事なワインを誕生させたのです」

シャンパンをおいしく飲むグラスはどんな形がいいのでしょう?

「一八世紀頃は足つきの円錐形、一九世紀には広口の浅いグラス(クープ)が流行し、愛好家には細長いフルートグラスも好まれました。今日ではチューリップ形が人気。盛んに立ち上る泡の動きを妨げず、アロマを十分楽しむのにも向いています」

発泡性ワインは世界にアマタあれど、『シャンパン』と呼べるのは、フランス・シャンパーニュ地方産のものだけ、とは知らなかった!

「本物には、ラベルのところにシャンパーニュ委員会が交付する業者登録番号が明記されています。代々フランス国王の戴冠式はパリではなく、シャンパーニュ地方のランスで行われてきました。その土地で生まれたシャンパンは、フランスの王侯貴族から、やがてヨーロッパ中に広まり『世界の王の酒、世界の酒の王』と呼ばれるようになったのです」

結婚記念や誕生日のお祝いに。また、仲間のチャレンジをたたえたり、自分の心の記念日にも。シャンパンであなたも人生にきらめきを添えてみては…。

▽シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会日本事務所=03・3405・8035

▽『世界の風土と味を楽しむ会』事務局=03・3433・5544、ホームページ=http://www.otpi.co.jp

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