フリーズドライ食品を考える ビタミン・ミネラルが旬の野菜並み!?

2002.07.10 83号 7面

凍結したままの食品を真空凍結乾燥することによって生まれたフリーズドライ食品。即席カップ麺の具材やインスタント味噌汁の具でおなじみで、どちらかというと「簡便性」優先の素材と思われがちだが、意外にも使いようによっては生食よりも栄養価が高いこともあるヘルシーライフの応援団だという。日本ジフィー食品(フリーダイヤル0120・456734)に話を聞いた。

フリーズドライ食品は、一九五〇年代後半に軍事用食糧として開発された後、数々の改良が加えられ、アポロ宇宙船にも持ち込まれるなどNASAでも活用。めざましい技術的進歩を遂げ、いまでは一般の家庭でも手軽に利用されている。

それにしても、「フリーズドライ」とは、どんな製法なのかというと、その原理はまさに、「凍結して乾燥する」というもの。あらかじめ素材をマイナス二五度で凍結し(予備凍結)、それを真空乾燥機に入れ上限五〇度までの温度で乾燥する。そうすると氷は溶けることがなく直接水蒸気ガスになって昇華する。ケーキの箱に入っているドライアイスが水になることなく形が消えていくのと同じ現象だ。

それだけ手間をかけることで、どういうメリットがあるのか。通常の乾燥法、熱風乾燥は例えていえば、シャンプーした髪をヘアドライヤーで一気に乾かしてしまうようなもの。タンパク質の変質は七〇度で起こることもあり、これでは素材が変質することが避けられない。

対してフリーズドライならば、素材の持つ特性や効能がかなりのレベルで維持できる。例えば、テーブルスパイスのようなビンに入って食卓で手軽に使える乾燥野菜『卓上菜園』。このような野菜類は、ビタミンやミネラルなどが生のものをボイル仕立てした程度に確保されているという。旬の時期の素材を加工しているので、逆にそれ以外の時期の生野菜よりも栄養価が高いということもある。「『卓上菜園』を使うなんて、簡便すぎてヘルシーではないでしょう」という考えは、実は勘違いなのだ。その実力は、キャップを取った時の「素材本来の香り」が証明している。

野菜から、たまごスープ・オニオングラタンスープ、味噌汁、即席どんぶりまで、何でも登場しているフリーズドライ食品だが、百歳元気編集部として、いま最も注目したいのが、『糖尿病食 旬感御前』シリーズや、柔らかな食事が必要な人のために具材を小さめに刻み柔らかく煮込んだ『旬感メニュー やわから煮』シリーズだ。

『糖尿病食 旬感御前』は、糖尿病患者やその予備軍のために開発された「厚生労働省許可特別用途食品・糖尿病食調製用組み合わせ食品」で、従って糖尿病の予防や治療になくてはならないものだ。けれども「カロリー計算や栄養バランスがすでに熟考されている便利でおいしい完成品」として考えれば、糖尿病に限定しなくともあらゆる生活習慣病予防やダイエットに活用できる。実際に、純粋なダイエット目的で購入する女性も多いという。

カロリーは、『カニと白菜の雑炊セット』『しめじとゴボウのそぼろあんかけセット』が二四〇キロカロリー、いかにも重そうな『すき焼き風牛丼セット』『鮭とほうれん草のクリームシチューセット』『麻婆豆腐セット』も三二〇キロカロリーと低カロリーで、さすが!糖尿病食の実力だ。雑炊や丼のご飯を用意するだけで、すべての総菜がお湯を注ぐだけで出来上がる。

『旬感メニュー やわらか煮』も、同じくポットのお湯ですぐ出来る便利もので、身体にやさしい薄味仕立て。「歯が多少弱くなった年齢の人に食べていただきたいと開発したが、決して介護食・病人食というような特別食ではない。おいしく食べていただける味、感触にこだわった」(日本ジフィー)。例えば夜遅くなってしまった食事に使っても胃に持たれにくい。「もう一品」の普通のお総菜として買い置きしておくと便利そうだ。

素材そのものが持つ栄養価・特性がそのままキープできていて、なおかつ超軽量で持ち帰りがラクチンなフリーズドライ食品は、これからの大人世代家庭の力強い味方といえそうだ。

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