百歳への招待「長寿の源」食材を追う:沙棘(サージ)

2002.09.10 85号 11面

地楡(ヂユ=ワレモコウ)の歴史は古く、産地はほぼ全国的。薬効も高く吐血・止血ほか幅広く庶民には伝統ある薬材として知られている。沙棘(サージ)は漢方薬材としては新しく、中薬大辞典に記載はない。チベット・モンゴルで中草薬として用いられていた。20世紀に入って驚異の薬効が知られブームに。この両薬、21世紀に活躍が期待される。(食品評論家・太木光一)

「沙棘」と書いて中国語でサージと読む。別名、醋柳・酸棘・黒棘など。日本語の適訳はなくサージで通用する。タワラグミ科の果実。

分布は中国の西北部・華北部・チベット・四川・雲南など。降雨量が非常に少なく、夏の場合気温三六度、冬は氷点下三〇度にもなる悪環境の中でも果実をつける。このため「生命の実」「砂漠の人参」という別名もみられる。

沙棘は漢方を信奉したフビライ(忽必烈)が不老長寿薬として愛用。日本を攻め、さらにベトナムやジャワにも兵を進めたバイタリティーや、自らも七九歳まで活躍したのは沙棘の威力にありとする向きも多い。

一九八五年、山西省で沙棘ジュースが製造され、その成分は驚異の目で迎えられた。このため新しい呼び名「群果の冠」(数多い果物のトップ)も生まれた。

沙棘には長寿のための数多くの成分が含まれている。ビタミンC・E・カロチノイド・アミノ酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・フラボン類化合物などである。

ビタミンCでみれば、含有量は一〇〇グラム中八〇〇~八五〇ミリグラム、果物の中で最高値。AやEも突出して多く含まれている。

中国では、さらに研究が進み、沙棘の抗炎症や抗老化の効能も確立。特に消化器系の潰瘍(胃・食道炎、十二指腸潰瘍)をはじめ胃痛や消化不良などにも好結果がみられている。

沙棘は各方面でその効用が知られてきた。人間にとって重要な成分が二〇〇種も含まれていることも判明。前述した成分以外にクマリン・グリジンペタインなど、がん・潰瘍・炎症・動脈硬化・老化などに効果の高い生物活性水分も含有される。フラボノイドは血液の脂肪分を下げ、血管を軟化させるため血液もサラサラにする。この結果、動脈硬化や脳血栓の予防に役立つ。脳心血管の循環を改善しコレステロールや脂肪を下げる。さらにベタイン・ビタミンC・Eの相乗効果により、肝臓を活性化するため、肝炎の予防や体質改善にも効果があると確認された。活性作用があるSODやフラボノイドの作用で老化の原因となる遊離基(細胞の新陳代謝機能を低下させる過酸化物質)を減少させるので、頭髪が黒くなったとの報告もみられる。

現在、沙棘の素晴らしい成分を利用して沙棘ジュースをはじめ沙棘キャンデー・沙棘ゼリー・沙棘オイルのカプセルが日本で発売されている。

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