環境を考える 「びんリサイクル」 消費者は資源の生産者でもある
平均残余年数三年から六年。一九九三年の調査結果で明らかにされた全国のゴミ埋立地の今後の使用可能年数である。このことを考えればどうしてゴミを分別収集しなければいけないのか、分からないなどとは言っていられない。分別後どのようにリサイクルされるのかもぜひ知りたいことだ。深刻になりつつあるゴミ問題はお役所だけにまかせておいても解決はしない。ゴミ問題はゴミを生産する人類全員が真剣に取り組んで行くべき問題となっている。
行き場を失うゴミを作らないため今回はガラスびんのリサイクル事情を考える。
ガラスびんのリサイクル方法の現状は、
(1)再使用=空きびんを洗って繰り返し使う。ガラスびんのリサイクルの原点。リターナブルびんと呼ばれ、二〇回以上再利用されている。
(2)多用途活用=容器としての使命を終えたびんは細かく砕き、土木材料(アスフィルト舗装など)や建築材料(人工大理石など)として活用される。
(3)再利用=一回だけ使われるワンウエイびんは回収後カレットというガラス原料になる。現在ガラスびん一本当たりに使われているカレットは五五・六%(平成6年実績)。
そこで、有効にリサイクルするためにゴミの生産者である住人がゴミ問題に直面する。分別収集の方法は地域により様々であるが、いずれもゴミ収集場所=回収ステーションに排出された再生資源は資源化センターに運ばれる。
ここで空きびんはリターナブルびんとワンウエイびんに分別、色分けされ、びん商やカレットセンターに運ばれる。空きびんと一緒にリサイクリング不可能な陶磁器、耐熱ガラス調理器、電球、鏡、その他金属類やプラスチックなどが混入していると資源の選別が困難であるとともにびんの原料としては使用できない(写真(下))。
ゴミ収集、回収にかかる責任はどこにあるのか、費用は誰が出すべきなのか、問題は多大ではある。
しかしとにかくゴミを減らすことを第一に考えねばゴミが溢れてしまう。ゴミを減らす第一歩は正しいゴミの捨て方を住人全員が行わなければならないことにあるようだ。