人生・健康の超人たちは朝何を食べているのか:プロスキーヤー・三浦敬三さん
2月に九九歳にして、しかも親子三代でヨーロッパ・アルプス・モンブラン山系の中で最長のヴァレーブランシュ氷河滑走に成功した三浦敬三さんは、いったいどんな朝ご飯を食べているのだろうか。驚くことに三浦さんは東京の自宅では一人暮らしで、朝晩の食事を自分ですべて準備している。おまけに年間半分にも及ぶスキー行でも、できる範囲で同じ食生活を作り出しているのだそうだ。
「私の食事はごく簡単なものです。質素といってもいいでしょう。一日でも長くスキーをするために、美味・珍味でなく、本当に身体にいい食材を選び、食べ物に含まれている栄養を余すところなく生かす。省ける手間は省く。それが私の料理に対する基本的な考え方です」。
朝食と夕食はほぼ同じものを食べ、昼はごく軽く済ませる。胚芽米が三分の一入った玄米に、季節の野菜具だくさんの味噌汁、魚のアラ、鳥の手羽先、豚挽肉とピーマンの炒め物、キクラゲ、季節の青菜類、納豆、漬け物、デザートに小豆あん。その後、特性のドリンク、これが定番のメニューだ。
最低でも六~七皿を並べ、どの皿の料理も一口でも二口でも食べるようにする。保存が利くメニューが多く、残った分は容器に入れて冷蔵庫で保存し、食卓をバラエティー豊かにしている。例えば納豆は朝晩食べるが、量は朝食で一口、夕食で二口。「一週間で四パックで二〇〇グラムくらい。ちょうど食べると効果が出るといわれている量になります」。
スキーをするために、骨を強化することは必須だ。骨の強化にはカルシウム。骨が丸ごと入った魚のアラは、圧力鍋で煮るので、サケなら三〇分くらいで調理完了。そのカルシウムを身体に吸収しやすくするビタミンDを摂取するためにはキクラゲを。「ビタミンDの豊富な食材としてはシイタケがありますが、キクラゲのビタミンDはシイタケの一〇倍も二〇倍もあります。鉄分も豊富で、昔から不老長寿の食べ物という。本で読んで知って、意識して食べるようになりました」。
つねに勉強し、トレーニングメニュー同様、良いと思ったことはすぐ取り入れ変遷を重ねているのも、三浦さんの食生活の特徴といえる(関連記事4~5面)。
<特製ドリンク>
黒ゴマをミキサーで粉末にしたものを中さじ2杯、きな粉中さじ2杯、テンサイ粉小さじ1杯、酢タマゴ中さじ5杯、プレーンヨーグルト大さじ1杯
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『98歳、元気の秘密』(祥伝社)。一〇〇年を健康に生きる技が、リアルに描かれている