自由時間術:日清食品、「骨太の管理職」めざし無人島で研修

2003.09.10 98号 5面

日清食品(株)(大阪市淀川区、電話06・6305・7722)は、瀬戸内海沖の無人島・太島(ふとんじま)で8月26日から二泊三日の新任管理職研修を実施した。

研修の目的は、あらゆる状況下でも負けない精神力を持った「骨太の管理職」の育成。「次代を担う課長世代が厳しい時代を生き抜くため、自活力がある骨太の人間になってほしいと考えて、サバイバル研修を思いついた」という安藤宏基社長(五五歳)を筆頭に、四〇~四五歳の新任課長八人と人事担当者を含む計一二人が参加した。

島に持ち込んだ食料はコメ・大豆などの原材料と「チキンラーメン」。「すぐおいしい、すごくおいしい」でおなじみのチキンラーメンも、何もない無人島生活では「すぐ」いただく訳にもいかなかったよう。最初の火おこしは、折しもの雨も手伝って一時間強かけてやっと火がついたという。その「命の火」を使い、大奮闘の末できあがったラーメンはさぞや格別だったことだろう。

「ここでの生活は朝起きてご飯の支度をして、それで一日が終わった。食べて寝て、また食べて…というシンプルな人間の営みを繰り返す中、食の大事さと当社の企業理念『食足世平』を実感した。与えられた環境で与えられた道具を使って仕事をすることがいかに楽かを知った」と椎川昇・東京本社マーケティング部ブランドマネージャー。

キャンプ好きな森貴芳・東京本社食品営業部課長も「いつも行くキャンプでは、たくさんの道具を持ちこみ、何でもできる。火おこしから行うキャンプは未経験で、自分の無力さを感じた。竹でご飯がうまく炊けず、後になって竹の選別が重要だったと気づいた。やり残した課題もあり反省も多いが、おもしろい体験だった」という。

無人島研修を告げられ「ラッキー!」と喜んだという川上康昭・東京本社チルド食品営業部課長は「安藤社長と同じ班になり内心『大変だ、翌月曜日には違う職場に行かされてしまうかも』と考えたが、三日間すべて自身で取り組まれる社長の姿を間近で見、その自活力の凄さを感じた」と語った。

「正直ここまで疲れるとは思っていなかった」という声に「疲れより楽しかった。あと三日はイケル」という声も。

夏休み明け、一回り逞しくなった男たちの笑顔が光った。

◆研修内容

<食>

(1)火おこし

(2)海水からの食塩調達

(3)素もぐり・ヤス・磯釣りによる魚介類調達

(4)一夜みそ作り

(5)ねじりパン作り

(6)竹を使った調理道具・食器・箸作り

<住>

(1)小屋がけ

(2)炊事場・かまどの設営

(3)トイレの設営など

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