漢方ダイアリー:怖いインフルエンザ、対策は?
○12月10日(月)
娘の通う小学校でインフルエンザがはやり出したよう。帰宅後のうがいと手洗いはしっかりさせているけど、これだけでは不安。
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38度以上の高熱、筋肉痛や全身倦怠感などの全身症状を伴うインフルエンザは、くしゃみや咳など空気中に散ったウイルスにより飛沫感染をします。
インフルエンザはおもに抵抗力の弱い子供やお年寄りがかかりやすい傾向にあります。
効果的な予防法は、人込みへの外出は控える、マスクをつける、うがいや手洗いをするなど、ウイルスとの接触をなるべく避けることです。
◆中医学で風邪をダブルブロック
中医学では、植物の力を借りて、「免疫力アップ」と「抗菌・抗ウイルス」のダブルブロックで風邪予防に立ち向かいます。
◆第一ブロック
菌やウイルスに直接作用し、うがいなどによく使われるのが、「板藍根」という生薬の煎じ液です。
いわば”皮膚や粘膜を消毒する消毒屋さん“です。板藍根の煎じ液は普段のお茶代わりに飲むこともでき、漢方のふるさと中国では、風邪やインフルエンザが流行し始めると、家庭でこのお茶が飲まれます。
◆第二ブロック
中医学では昔から「玉屏風散」という漢方処方が、この時期の風邪の予防に使われてきました。「玉屏風散」には、免疫力を高め皮膚や粘膜を強化する作用のある生薬「黄耆」が配合されています。古来より繰り返し風邪をひく虚弱体質の人に用いられてきました。
「屏風を立てて風邪の侵入を防ぐ」というのが処方名の由来で、鼻やのど、皮膚の粘膜など体表部にバリアを築きウイルスや細菌の侵入を防ぎます。つまり”身体の防御壁に立つ門番さん“のようなものです。
「玉屏風散」は日本では『衛益顆粒』という商品名で販売されています。
万が一、風邪やインフルエンザにかかってしまった場合には、『天津感冒片』などの炎症を抑え解毒する働きがある漢方薬を、早めに服用しましょう。
○オススメは『板藍茶』、『衛益顆粒』
風邪やインフルエンザ予防の代表ハーブ「板藍根」のエキスを飲みやすいお茶にした『板藍茶』。のど飴タイプもあります。服用しやすいスティックタイプの『衛益顆粒』で粘膜強化を。
○東洋エクササイズ
合谷(ごうこく)…手の甲、親指と人差し指のまたの間のところ。頭痛、めまい、眼精疲労、歯周病など首から上のすべての症状に。熱っぽい時におすすめ。
風池(ふうち)…後頭部の髪の生え際、首筋の太い筋肉と首の横の筋肉の間。頭痛をやわらげ頭部の熱を冷まします。風邪の治りが早くなるツボとしても。