漢方ダイアリー:主婦湿疹、アトピーの再発のケア

2008.06.10 155号 08面
「瀉火利湿顆粒」(上)、「五行草」(下)

「瀉火利湿顆粒」(上)、「五行草」(下)

 ●6月10日(火)

 最近、皮膚に水ぶくれができて破れたり、ジュクジュクした湿疹が、かゆくて辛い。せっかく良くなっていた子供のアトピーも、再発してきたみたい……。

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 6月は、日本では多くの地域で梅雨の長雨が続き、湿度が高くなる季節です。自然界と人間の身体の繋がりを密接に考えている中医学では、この時季は「湿」が、身体にさまざまな影響を及ぼすと考えています。

 ◆「湿気」が湿疹やアトピーの原因に

 中医学では、「湿気」は胃腸に影響し、胃腸は皮膚と関係すると考えます。胃腸が弱い、または養生の不足により身体の水液代謝機能が弱まって身体に湿気がたまると、むくみやだるさ、めまいなどの症状が現れます。そのまま放っておくと、身体にたまった湿気が「邪気」へと変化し「脾」(消化器系)の働きをさらに低下させて、皮膚トラブルの原因になってしまいます。「脾」を養生するには、水分や甘い物、脂っぽいものは控えめに、冷たいビールの飲み過ぎなど、胃腸に負担をかけるようなことは禁物です。

 ◆湿熱をとり肌質を改善!

 代謝しきれずにたまった水液「湿邪」が、身体の中に長く停滞すると「湿熱」になります。湿熱になると、皮膚の下に水分や熱がこもるため、水疱ができたり、ジュクジュクするタイプの湿疹になるなどの症状が現れます。湿熱状態だと、主婦湿疹や、アトピーが再発しやすくなるのです。

 このような場合は、身体にたまった余分な水分を排出し、こもった熱を下げる養生が必要になります。苦瓜など苦味のある食材や緑茶を摂りましょう。漢方薬では、身体の熱毒と湿熱をとる「瀉火利湿顆粒」「五行草」や、胃腸の働きを助ける「焦三仙」がおすすめです。

 また、タンポポ、よもぎ、五行草を入れたお湯に手を浸す”手湯“も、主婦湿疹には効果的です(浴剤にも使用可能)。アトピー肌のケアには、お風呂や湿布の後に、涼血や消炎効果の高い紫根やクララ、カミツレなどのエキスが配合されている「瑞花露薬用保湿ローション」をたっぷりと使いましょう。

 ○風邪にも肌トラブルにも オススメは『板藍茶』『衛益顆粒』

 風邪やインフルエンザ予防の代表ハーブ「板藍根」のエキスを飲みやすいお茶にした『板藍茶』。のど飴タイプもあります。服用しやすいスティックタイプの『衛益顆粒』で粘膜強化を。

 ○発赤・腫れ・湿疹などのお肌のお手入れ

 適応:皮膚の発赤、腫れ、痒み、ジュクジュクあるいはカサカサ

 方法:

 (1)ヨモギ5g(乾燥したもの10g)、タンポポ10g(乾燥したもの15g)五行草5gを袋に入れる。

 (2)洗面器にお湯と(1)を入れ20分おく。

 (3)(2)をバスタブに入れる。足湯・手湯もいい。10~15分、患部を浸す。

 (4)お風呂上がりにすぐ、瑞花露ローションあるいは瑞花露クリームでケアすることをおすすめします。

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