ヘルシートーク:女優・常盤貴子さん

2008.10.10 159号 05面

 国民的人気シリーズ「釣りバカ日誌19」、最新作はシリーズ初の社員旅行。西田敏行さん扮するハマちゃんたち鈴木建設ご一行が、大分県の魚の宝庫の町に出発! ヒロインの河井波子役をつとめた常盤貴子さんに、撮影裏話を伺った。

 ◆大和撫子に挑戦!

 まるで本当の会社の社員旅行みたいで、すっごく楽しい現場でした。撮影中も撮影が終わってからのアフター5も、西田さんを中心に盛り上がって。ごはんを食べに行ったり、いろんなお店に連れて行ってくださいましたね。私もホント、映画の内容そのままのスズケンの会社員生活を満喫しました(笑)。

 今回の私の役は総務部の派遣社員さんなんですが、そうですね、いまはもうホントはいないんじゃないかなっていうくらいの大和撫子タイプです。根が元気なものでつい笑い過ぎちゃったりして、監督さんには「もっと控えめにね」っていっぱい抑えつけられました~(笑)。でもそのおかげで、いままで演ったことのないような、おしとやかな日本女性を演じられまして、嬉しかったです。私もできるんだ、こういう役!って。あの「釣りバカ」にヒロイン役で出させていただけるなら、自分にとって少しハードルの高い役、等身大でない役で挑戦したいと思っていました。だからこそ、出演した甲斐がありました。

 ◆自分で見つける、旅の楽しさ

 大分の佐伯という町は、本当においしいものがたくさんある所で。まずお魚です。リアス式海岸って学校で習いましたよね、なんでもそうした複雑な海岸線で、黒潮にもまれにもまれたお魚らしく、お寿司はもちろん最高、その他煮ても焼いたりも本当においしい。それから冷麺も驚きました。私たちが知っている冷麺とはぜんぜん違うんです。盛岡風とも違うし、もちろん冷やし中華でもない。麺に特徴があるんです。具はチャーシューなんかがのっていましたね。

 それから野菜のメニューでは雪ん子寿し(ゆきんこずし)! 地元の婦人会の方々が地域活性化のために考えたメニューだそうです。地元のしいたけと千枚漬けみたいなお大根が、小っちゃなお酢のごはんの上にのっていて。しいたけが肉厚で大根がシャキシャキ、それで見た目は粉雪をかぶったみたいな可愛さなんですよ。名前も可愛いじゃないですか。どうしてこの名前になったんですかって聞いたら、このお寿司が完成した朝、町に雪がちらほら降っていたんですって。それで、「ああ、雪ん子寿しがいいんじゃない」って付けられたそうです。

 大分は湯布院が有名で私も訪れたことはありましたが、佐伯は初めて。こんなにおいしいものがある所なのに、あまり宣伝しないんですね。町の人もとても控えめで、観光化させようという感じがないんです。だからよけい好感が持てました。だんだんと知っていって、わぁ~いいなあという感じ、だからもしかしたら旅好きな人には本当に楽しい場所なのかもしれませんね。おいしいものを探して、自分で見つけた時の楽しさがあります。

 今回の映画のキャッチコピー「結局、今日もしあわせ」も、そんな感じなのかな。「釣りバカ」のヒロイン役にお招きいただいて、現場に入って、なんでこの作品が長く皆さんに愛されているのか分かりました。何げない日常の幸せを味わう、こういう映画ってやはり必要だと思います。ぜひ劇場に観に来てくださいね。

 ●プロフィール

 ときわ・たかこ 1972年神奈川県生まれ。93年、女優デビュー。「愛してくれと言ってくれ」(TBS)で第1回エランドール賞新人大賞、「Beautiful Life」(TBS)で第26回放送文化基金賞女優演技賞、映画「赤い月」(04年)で第28回日本アカデミー賞主演女優賞他受賞。2008年の出演作は、TVドラマ「笑顔をくれた君へ~女医と道化師の挑戦~」「ロス:タイム:ライフ」「眉山」(ともにCX)、映画「アフタースクール」「20世紀少年」など。

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