ヘルシートーク:フードスタイリスト・マロンさん
新潟米によく合うおかずのアイデアを競う、お弁当レシピコンテストが開催された。その結果発表会で審査員のマロンさんをキャッチ!いつもながら元気ハツラツのマロンさんに、お弁当作りの極意やおすすめ料理を教えてもらいましょう。
◆まさに「いま」を感じるお弁当レシピを選びました
去年は「弁当男子」なんて言葉がはやったけれど、お弁当ブームは相変わらず続いているようね。このコンテストにも400作品近い応募があって、その中からマロンが6作品を厳選しました。受賞作に共通するのは、どれも「いま」の香りがすること。これは別にとんがってるメニューってことではなく、ごく普通の食材を使って簡単に作れるのに、抜群の味になるちょっとしたひと工夫があるってことなんです。
たとえば「コレイチ大賞」になったお弁当のサイドメニュー「レンコンのカレー炒め」。レンコンにチーズとカレー粉を加えてるところがとっても新鮮。チーズって冷めてもおいしいのね~、お弁当にぴったり!とマロンも新発見でした。特別な食材を使って手間ひまかけて、なんてバブルの時代じゃないんだからはやらないし、第一そんなの続きません。なにしろ、お弁当はデイリーなもの。いかに手早くおいしく作れるかが大切なポイントよ。
あとは「節約」も、やっぱり時代を反映したキーワードよね。たとえば「激ウマ賞」のひとつ「柔らかジューシー唐揚げ」は、安い鶏むね肉を使いつつも、りんごやはちみつを加えたオリジナル調味液の工夫で、本当に柔らかジューシーに仕上がってるの。こんなふうに「簡単、おいしい、節約」を心がけて、みなさんも日々のお弁当作りを楽しんでみて!
◆こんがり香ばしい焼きみそは、最高のごはんの友!
いちばん思い出に残るお弁当のおかずは、子どもの頃、おばあちゃんがよく作ってくれたレンコンのきんぴら、きゅうりの酢の物、ひじきの煮物。とにかくこの3つを食べてれば元気になれる!といまでも信じ込んでるほど大好きな味。マロンはごはん党だから、こういう「ごはんの友」って欠かせないんです。どれもいわゆる「常備菜」。時間のある休日に常備菜をいろいろ作ってストックしておくと、忙しい朝のお弁当作りがラクになること間違いなしよ。
最近おすすめのマロンのごはんの友レシピは、ずばり「焼きみそ」。フライパンに合い挽き肉やみそを入れて炒めるの。フライパンの中で広げて焼き付けて、それを一度まぜ込んで香りを閉じ込めて、また広げて焼き付けて…こんがり焼き色がついたら出来上がり。肉の旨みと香ばしいみその香りに、もうごはんが進むこと進むこと!
みそはみそ汁に使うだけでなく、いろんな料理の隠し味に使いなさいとよく言ってるんだけど、この「焼きみそ」はとにかくごはんとの相性抜群。ごはんにのっけても、おにぎりに入れても◎。お試しあれ!
◆野菜料理のマイブームといえば、青菜の塩炒め
ほうれん草、小松菜、チンゲン菜…青菜っておいしいなと、改めて思っている今日このごろ。あっさり塩味で炒めると、びっくりするほどたくさん食べられます。調理のポイントは、炒め油に塩を加えること。あとで塩こしょうするより、最初に油に味を付けるほうが、青菜が断然おいしく仕上がるの。
もうひとつのポイントは、途中で蒸し焼きにすること。まず茎を炒めたら、その上に葉をのせて、フライパンにふたをし、1分間ほど蒸し焼きにしてみて。炒めるだけだと焦げやすかったり、火の通り具合にバラつきが出たりするけど、ここでふたをすることで均一に火が通り、青菜からほどよく水分と旨みが出てくるのよ~。最後にごま油を少し回しかけるのを忘れずに。味付けは塩と油だけのこんなシンプルな野菜料理が、最近のマイブーム。
やっぱり野菜は日頃からなるべくたくさん食べる工夫をするのがいいわね。お弁当にも必ず2色の野菜を入れるようにすると、全体の彩りがよくなるし、栄養バランスも取れるはず。おいしくて栄養たっぷりのお弁当は、きっと午後からの仕事や勉強の活力になってくれますよ。手作り弁当でパワーチャージをモットーにね!
●プロフィール
本名・板井典夫。1959年長崎県生まれ、佐賀県唐津市出身。1983年、料理からテーブルスタイリングまでできる“フードスタイリスト”を日本で初めて名乗る。NHK『きょうの料理』をはじめ、日本テレビ系バラエティ番組『おネエ★MANS』にも出演するなど、さまざまなメディアで料理の楽しさ、おいしさを伝える“食のエンターテイナー”として活躍中。著書多数。調理器具の商品開発にも定評あり。