ヘルシートーク:経済評論家・勝間和代さん

2013.02.10 211号 05面

 経済評論家として、テレビ番組などでも活躍中の勝間和代さん。1年前から始めた、これまでとは異なるダイエット方法で、ぽっちゃり体型から健康的なすっきりボディーに大変身。最新刊『やせる!』には、その秘訣がたくさん紹介されています。健康的にやせて、つるつるお肌をゲットする方法についてお話をうかがいました。

 ●やせるための公式「H=N/C」

 1年前から野菜料理にどんどん凝り出しまして…。出演したテレビ番組で、美木良介さんの「ロングブレスダイエット」に挑戦したことがきっかけで、食生活を本格的に見直したんです。ダイエット本や生活習慣病の改善を勧める本、料理のレシピ本など、国内外のさまざまな書籍や文献も読みました。

 そこで気付いたのが、健康的にやせるための「H=N/C」という公式です。これは、Health(健康)=Nutrition(栄養素)/Calories(摂取カロリー)を表しており、「適度なカロリー摂取の中で、いかに栄養価の高いものを食べるか」という概念のことです。厚生労働省が推奨する1日の総摂取カロリーは1800kcal程度が適正とされていますが、同じカロリーであれば脂質や糖質で取る1800kcalよりも、栄養素が豊富な1800kcalのほうが将来の健康リスクが異なりますし、体型もまったく変わってきます。

 野菜、果物、豆類などはN/Cレートがとても良く、中でもブロッコリーやほうれん草などの青菜は、優秀な食材です。例えば、ブロッコリーと牛肉100kcalあたりのタンパク質の含有量を比べると、なんとブロッコリーのほうが上! ダイエット前の私は、1日の総摂取カロリー量を1800kcalまでに抑えることには気を付けていたので、食べ過ぎていたわけではないのになぜかぽっちゃり体型のまま…。原因は、朝や昼はおにぎりやドーナツを食べ、夜は外食中心といった、N/Cレートの悪い食生活を送っていたことにあったと気付いたのです。いまは朝からみそ汁を作ったり、昼も自宅に戻って野菜たっぷりのサラダを食べたりしています。

 「H=N/C」を理解したら、あっという間に健康的にやせていきました。以前は20kgあった体脂肪量も、いまは10kg程度しかありません。体脂肪率も32%から20%前後まで減少。体脂肪になるような食材をなるべく減らして、野菜を中心にした食生活に改善したことが一番の勝因だと思います。

 ●アブラナ科野菜を塩・バルサミコ酢だけで

 先日アメリカで講演会に参加した時、ヘアメイクさんに「勝間さん、お肌がつるつるですね。何の基礎化粧品を使っているの?」と聞かれました。ジョークで「野菜と果物です!」と答えました。野菜と果物をたくさん食べるようになってから、健康的でお肌もつるつるしてきました。

 私の“つるつるお肌”の秘訣は1日3食、なるべくアブラナ科の野菜を食べるようにしていること。キャベツ、小松菜、菜の花、空芯菜、ブロッコリー、カリフラワーなどですね。アブラナ科の野菜にはビタミンやミネラルが多く、良質のタンパク質も含まれているため、「スーパーフード」と言われています。

 今日のお昼は、春菊1束、赤ピーマン1個、トマト1個、アボカド1個で総重量450gのサラダを作りました。塩であえて、バルサミコ酢を加えて完成。それだけでもう、お腹いっぱいです。

 でも、仕事や家事で忙しく、限られた時間で料理をしているので、“武器”を使わないと絶対に間に合いません。私は毎朝6時半に起きて、保温調理ができる「はかせ鍋」を使って、その日の3食分、1リットルのみそ汁を作ります。加熱した後は、放っておけばよいので便利ですよ。

 他にも、一番だしを電子レンジで作れる「だしポット」などの“武器”を活用しながら、ササッと料理をしています。

 毎日食べている青菜も、スチームオーブンレンジを使って「80度Cで10分間」蒸したり、キャベツなどもオーブンやIHの魚焼きグリルで焼いています。野菜の甘みも引き出されるし、スイッチを押してタイマーをかけるだけですから。こうした“武器”を使えば、料理が本当にラクになります。

 ●習慣化できないものは無駄

 先日も、北海道から送っていただいたかぼちゃを、そのまま蒸したり焼いたりしたらすごくおいしくて。野菜には“実力”が備わっているんですね。調味料を過度に加えず、その実力をなるべく邪魔しないように料理するだけで、おいしくできあがります。

 近所のスーパーで特売の野菜を買ってきて、低温のオーブンでじっくり焼いたり蒸したり、レタスなどそのまま食べられるものは50度C洗いでシャキッとさせて、あとは塩をかければ何でもおいしい。

 ちなみに調理科学によると、塩は素材重量の0.8%の量で味付けするとおいしいと言われています。私にはちょっと多いので0.6%にしています。岩塩や海水塩、トリュフ塩などを使い分けて楽しんでいます。

 「やせる!」というのは「食生活をきちんと見直しましょう」ということです。低カロリーダイエットなどはリバウンドにもつながりやすいですし、習慣化できないものはすべて無駄です。つまり、一生続けられる生活習慣に改善することが大切なのです。

 私が習慣化した「H=N/C」に従った食生活は、野菜がおいしくいただけるので続けられるはず。ぜひ試してみてくださいね!

 ●プロフィール

 かつま・かずよ 1968年東京都生まれ。経済評論家。慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在は、株式会社「監査と分析」取締役、内閣府男女共同参画会議議員、中央大学ビジネススクール客員教授。『やせる!』『お金は銀行に預けるな』『会社に人生を預けるな』(いずれも光文社新書)など著書多数。

 公式ブログ http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/

 Facebook https://www.facebook.com/kazuyo.katsuma

 ●『やせる!』

 身長158cm、体重54~60kgの間をウロウロとしてきた著者が、みるみるうちにやせた秘訣がたっぷり詰まった最新刊。自宅ですぐに実践できるノウハウはもちろん、“勝間本”ならではのロジカルなエッセンスも満載の、読み応えある一冊。

 発行:光文社新書。定価740円(税別)

 ●「勝間塾」

 勝間さんが塾長を務める「私設のまなびや(学舎)」。「自分で考える力を養い、他者に貢献できる人になろう」という志に賛同した多くの塾生が集まっている。入塾はいつでも可能。

 毎朝6時に送られる「サポートメール」をはじめ、月1回の「月例会」などを通じで“ やる気の習慣化”をサポートしている。月例会はユーストリームの生中継で受講することもできる。

 勝間さんある日のランチ。「赤ピーマン、春菊、トマト、アボガドのサラダ。味付けは塩とバルサミコ酢にフラックスシード」。

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 詳しくは「勝間塾」オフィシャルサイトまで。

 http://www.katsumaweb.com/katsumajyuku/

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