今年の暑い夏、バナナでおいしく乗り切ろう
今年の夏の暑さは平年並から平年以上と予想されています。電力不足により冷房の節約も必要な中、熱中症や夏バテを防ぐ健康管理術を、管理栄養士で健康運動指導士の野間晶子さんにお聞きしました。
◆室内での発症も増えている熱中症
私たちは生命を維持するために、食べた物をエネルギーに変え体内で熱を発生させています。そして、汗をかいたり血管を拡げることで体外に熱を放出するのですが、高温や多湿などが原因で体温調整機能が低下すると、めまいや筋肉の硬直、失神などの熱中症症状が現れます。
◆夏バテで熱中症がさらに深刻に
熱中症の予防には、気温や湿度に気を配り水分補給と軽装を心掛け、上手に汗をかくことが大切です。また夏バテで体力が低下すると、より熱中症を起こしやすく重篤な症状にもつながるので要注意。
夏バテは、不規則で偏った食事によるビタミンやミネラルの不足も一因。毎日バランス良く食べ、特に糖質の代謝に必要なビタミンB群や、汗で失われるカリウムなどをしっかりとることも大事です。
そこでおすすめなのがバナナ。カリウムは料理法によっては失われやすいので、生で食べられるバナナで取るのが理想的なのです。
暑い夏は動くのもおっくうになりがち。睡眠や身体のリズムを保つためにも、涼しい時間の散歩など適度な運動も心掛けましょう。
●夏のげんきフード KEYWORD解説
「バナナ」
汗をかくと身体からナトリウムとカリウムが失われる。カリウムが不足すると筋肉の働きが悪くなり、だるさや不整脈の要因に。バナナは果物の中でもカリウムの含有量が多く、ビタミンB群やC、マグネシウム、食物繊維なども含む。消化も良く、夏の栄養補給に最適だ。
「甘酒」
甘酒は米麹から作る発酵食品で、「飲む点滴」とも称される身体に優しい栄養食。江戸時代には夏バテ対策によく飲まれていて、俳句でも夏の季語になっている。アルコール分はほとんどなく、お子さまにもOK。現在、甘酒製品にはフリーズドライタイプや液体タイプなど、多くの種類があって手軽に楽しめる。
●気温が高い時期のバナナの賢い保存方法
気温の高い時期はバナナの熟成が早いので、皮に茶色い星が出たら程よい熟成状態を保つため、房ごとまたは1本ずつビニール袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存を。
●おすすめの食べ方
夏場は、バナナを食べる60~90分前に冷蔵庫へ入れ冷やすと、ひんやりと、よりおいしく食べられます。また、茶色い星が出たバナナを、一口大の輪切りにしてラップにくるみ冷凍庫へ。凍ったらそのまま食べても、牛乳と一緒にミキサーにかけてシェイクにも。
※冷蔵庫で長時間冷やすと皮が黒くなることがあるが、果肉に影響はない。
●バナナ甘酒アイス
「バナナ」×「甘酒」最強のコンビ食材で夏のげんきデザート。カリウムやビタミンB群、食物繊維など、さまざまな成分を含むバナナと、「飲む点滴」の異名を持つ甘酒を使った夏向きのおやつです。
◆バナナ甘酒アイス
〈材料・2人分〉
・「熟れっ子バナナ」………1本
・甘酒(米麹甘酒)…………100ml
・バニラアイス………………大さじ2
・塩……………………………ひとつまみ
〈作り方〉
(1)バナナはフォークでつぶし、甘酒・アイスと合わせよくまぜる。
(2)(1)をバットに入れ、冷凍庫で凍らせる。
(3)器に盛り、塩をふりかける。
○アレンジ
バナナと甘酒、氷をミキサーにかけてドリンクに。自然な甘さが楽しめる。皮に茶色い斑点の出た食べ頃の「熟れっ子バナナ」を使えば、砂糖なしでも甘さ十分。