百歳さんこんにちは:東京都・添川清さん(101歳)

2014.05.01 226号 06面
食べ物の好き嫌いはない

食べ物の好き嫌いはない

収集品を編集した自家製本

収集品を編集した自家製本

 日本一の紙関係コレクター「紙くず王」として知られる東京都立川市在住の添川清さん(101歳)。収集した数多くの紙くず・珍品が世の人々の知るところとなり、テレビ各局への出演、各地催場での展示会、マスコミ報道や新聞雑誌掲載多数と、100歳を超えたいまも、紙くず・珍品の整理整頓に人生を楽しんでいる。

 ◆3600冊を自家製本

 これまでに収集したコレクションは、箸袋、紙コップ、包装紙、商品ラベル、パッケージ、駅弁掛紙、各種チケット、切符、宝くじ、伝票など、ありとあらゆる「紙」。清さんは、これらを“珍品紙くず”と呼ぶ。「長年にわたり収集の会の会員、友人、知人、家族も応援してくれて、集まった珍品紙くずを整理整頓して種類別に分け、昭和22(1947)年から現在に至るまで、240種類を自家製本しました。会員や友人、知人、家族に送ったその数は3600冊。あまりの多さに我ながら感心しています」。テレビ東京「何でも鑑定団」など、多数のテレビ番組にも出演した。

 ◆収集のため海外にも

 「そもそも、子供の頃から物を集めることに興味があって、最初はペッタ(メンコ)や近所の塀に映画のポスターを貼ると入場券がもらえるのが楽しみで、集め始めたんです」と清さん。「ただし、その当時のものは太平洋戦争ですべて焼かれてしまい、いま考えると残念でなりません」と口惜しむ。

 「収集した珍品紙くずは、時の流れをさまざまに知ることができます。見ているだけでも、過ぎた時代を思い出して昔が懐かしいですね。収集のために、中国、台湾、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、スイス、ドイツなど海外へも、旅行を兼ねて足をのばしました。欲しい時は物々交換で、言葉は“チェンジ”の一言と、あとは手ぶり身ぶりで通じます。みんな親切でした」と嬉しそうに語る。

 ◆いまも珍品紙くずを編集

 福島県喜多方市出身の清さんは、武蔵小金井の自宅に長男・秀夫さん夫妻と長く暮らしてきた。数年前から三男・国夫さん夫妻と同居していたが、平成23年からは東京都立川市の有料老人ホーム「グランマ立川」で毎日を過ごしている。

 閑静な住宅街にあるホームでの生活は、家庭的雰囲気が気に入っている。

 頻繁に訪れる次女の和子さんは、「食事もおいしく、父はホームのみなさんとの気さくな時間を大切にしています。ここへ来ても、整理されてない珍品紙くずを、時間を惜しんで丹念に編集しているんですよ」と感心している。

 ◆記憶力の秘訣は落花生!?

 食べ物は、好き嫌いなく何でも食べる。「父が特に大好きなのが殻つきの落花生。昔はふっくらした落花生が気軽に手に入り、いつも食べていました。あの時の殻をむく音、香りを、いまでも忘れません」と、よく一緒に食べた和子さんは話す。

 落花生にはリン脂質が多く含まれており、その中に含まれているレシチンが記憶力のアップや認知症の予防に効果があると考えられている。清さんの記憶力の良さもうなずける。

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