センティナリアン訪問記 百歳人かく語りき:神奈川県・早川芳太郎さん(97歳)
現役時代は大手鉄鋼会社の旋盤工。仕事帰りに同僚と飲み交わすのが好きで“呑ん兵衛早川さん”といわれて親しまれた。いまもコップ一杯の晩酌を欠かさず、歌謡曲を口ずさむ楽しい日々を送っている。
◆毎日、鶴見川まで散歩
神奈川県川崎市で長女2人で暮らす早川芳太郎さん。1912(明治45)年6月7日生まれで97歳を迎えたが、元気そのもの。毎日、近くの鶴見川まで散歩を欠かさず、川べりの公園で知り合ったお仲間5、6人との30分ほどのおしゃべりが楽しい日課。「趣味は散歩することと、声を出すこと。歌謡曲が好きなので、家でカセットで聴いたり、口ずさんだりする。読経も好きで、お経は本を見なくてもそらんじています」という。年齢を感じさせないはっきりとした言葉で話す。
◆年2回、仲間と熱海が楽しみ
「楽しみは日課にしている散歩のほか、毎晩欠かさない晩酌。ドーナツやスナック菓子をつまみにしながらコップ一杯の日本酒を飲んでから食事を取っています。それから池貝鉄鋼で旋盤工として働いていた頃の職場の仲間(いまは4人に)と年に2回ほど、湯河原や熱海に遊びに行くのが楽しみです」
現役時代には「呑ん兵衛早川さん」といわれるほどの酒好きで、仲間や部下から親しまれていた。旧交を楽しむ早川さんは「充実した生活を送ったのはやはり、現役時代だった」と笑顔で懐かしい時代を思い出す。
◆40年間勤めました
尋常高等小学校を出て、町工場の職工になり、昭和8年に池貝鉄鋼に入社して、60歳で退職するまで、40年間勤めた。特殊技術を持っていたので、兵役は免除となった。
「昭和17年のトラック島での戦争で、破損した戦艦のエンジンを2日間徹夜で修理したことなどは、忘れられない思い出です。辛かったけれども充実した日々でした」と語る。
●あなたの周囲の元気な99歳(白寿)以上の方をぜひご紹介ください。百歳元気新聞編集部TEL03・6679・0212