ロッテ、愛媛県などと「ポリフェノールショコラ ブリ」開発へ 血合い変色を抑制

生鮮食品 ニュース 2019.10.09 11954号 02面
左から木和田権一宇和島プロジェクト社長、八十島一幸愛媛県営業本部長、岡林一登ロッテ広報部課長

左から木和田権一宇和島プロジェクト社長、八十島一幸愛媛県営業本部長、岡林一登ロッテ広報部課長

切り身の変色を大幅に遅らせることを可能とする新技術を開発

切り身の変色を大幅に遅らせることを可能とする新技術を開発

ロッテは8日、愛媛県および宇和島プロジェクトと協力し、ロッテで製造・販売しているチョコレートを使用した「ポリフェノールショコラ ブリ」を開発する取組みを始めると発表した。通常のエサと、いよかんオイル・チョコパウダー入りのエサを併用し、ブリを水揚げする1週間前からポリフェノールショコラ入りのエサを与えることで、血合いの変色を抑える。3者では、魚嫌いの人や子どもにも食べやすいブリを開発し、地域活性化につなげる構えだ。

宇和島プロジェクトでは、2012年4月からミカンをエサの一部に使用した「みかんブリ」を19年2月からチョコレートをエサの一部に使用した「チョコブリ」を開発して販売している。ロッテのチョコ「ポリフェノールショコラ」には、柑橘由来とカカオ由来のポリフェノールが含まれており、その共通性から今回の取組みにつながった。さらに、県内の優れた食材を全国に発信している愛媛県が共同企画に参画した。今後、ロッテ中央研究所におけるブリの分析や官能評価、「ポリフェノールショコラ ブリ」が当たるキャンペーンの実施、レストランにおけるメニューの開発、流通での販売などの取組みを3者共同で検討している。

ロッテ中央研究所では、官能評価として、普通のブリなどとの比較を実施。血合いと血合い以外の部分に分けて、生臭さの度合いなどを評価。分析評価では、ブリの血合いの変色確認を科学的に行う予定。レストランや小売業での販売では、レストランで「ポリフェノールショコラ ブリ」を使用したメニューを提供予定。小売業では、販売を検討する。愛媛県農林水産研究所水産研究センターでは、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが、ブリの切り身の変色を大幅に遅らせることを可能とする新技術「チョコブリ」を開発し、その飼育方法について、宇和島プロジェクトと共同で特許を出願している。

現在、宇和島プロジェクトが生産する「チョコブリ」は、愛媛県が誇る「愛のくに えひめ営業本部」と連携し、国内外での売上げを伸ばしている。(青柳英明)

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