ノンアルビール、成熟から発展期へ 明快な機能に支持 各社注力で多彩な魅力

嗜好飲料 ニュース 2020.06.05 12061号 02面
サントリービールの「からだを想うオールフリー」(右)とキリンビールの「カラダFREE」

サントリービールの「からだを想うオールフリー」(右)とキリンビールの「カラダFREE」

サッポロビールが6月に投入する「うまみ搾り」を手にする野瀬裕之マーケティング本部長

サッポロビールが6月に投入する「うまみ搾り」を手にする野瀬裕之マーケティング本部長

ノンアルコールビールテイスト飲料市場が成熟期を超え発展期に入った。昨年から相次いで発売された「お腹周りの脂肪を減らす」など分かりやすくストレートな機能性をもった商品が起爆剤となっている。3日にはサッポロビールが「尿酸値を下げる」をメッセージとする新商品の投入を発表した。外出自粛などによるビール類ファンの健康意識の高まりに応え、小売店頭でも売場を広げるノンアル。多彩な機能や魅力をもった商品が充実しており、今夏はさらに注目を集めそうだ。

09年に登場したアルコール分0.00%の「キリンフリー」により、運転前にも飲めるという安心感で基盤を築いたノンアル市場。10年が経過する間に、カロリーゼロ、プリン体ゼロなどの機能面を充実させた商品が増え拡大を続けてきた。15年にはトクホや機能性表示食品の登場し、成熟期を迎えたが、市場を再び活性化したのが明快な効果を訴求するノンアルだ。

19年に入るとサントリービールが内臓脂肪を減らす機能が報告されているローズヒップ由来ティリロサイドを配合した「からだを想うオールフリー」を7月に発売。10月にはキリンビールが独自の「熟成ホップエキス」を使用することで「お腹まわりの脂肪を減らす」と訴える「カラダFREE」を発売し、市場で火花を散らしてきた。

そうした中、サッポロビールが23日に満を持して投入するのが「うまみ搾り」。尿酸値を下げる機能をもったペプチドの一種アンセリンを配合した世界初のノンアルで、開発に3年をかけた自信作だ。

尿酸は痛風の要因とされ、特にビール好きの関心が高い。検診などで尿酸値の高さを指摘される人は、成人男性の5人に1人いるとされる。「尿酸値を下げる」は従来にない分かりやすいコンセプトであり、新型コロナウイルスの影響で6月以降にずれ込む健康診断を前に注目を集めそうだ。

サッポロビールの野瀬裕之取締役常務執行役員マーケティング本部長は3日に東京・恵比寿の本社で開いた報道向け新商品説明会に出席。「ビール好きの生活を豊かにすべく健康課題をサポートする商品。毎日の食事と楽しんでほしい」とアピールした。(丸山正和)

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