焼肉のたれ、フレーバーに広がり 再挑戦の動きも

調味 ニュース 2022.06.15 12415号 01面
エバラ食品工業の「黄金の味 さわやか檸檬」(左)とキッコーマン食品の「わが家は焼肉屋さん 焦がしにんにく」

エバラ食品工業の「黄金の味 さわやか檸檬」(左)とキッコーマン食品の「わが家は焼肉屋さん 焦がしにんにく」

焼肉のたれは、自宅での焼肉やホットプレートを使った肉料理が定着し、コロナ前を上回る動きを見せる。コロナ禍の在宅勤務やマスク着用で「ニンニク」料理が人気となり、焼肉のたれでもニンニクをはじめとした新フレーバーの投入が目立つ。焼肉のたれは基本的にトレンドがあるカテゴリーではなく、甘口や中辛といったスタンダードな味種が売れ筋となる。過去には各社からさまざまなフレーバーの商品が発売されたが、市場に定着しなかった経緯がある。しかし、コロナ禍で家庭で焼肉をする機会が増える中、メーカーが再度新フレーバーに挑戦する動きが出ている。=関連記事「焼肉のたれ特集」(三井伶子)

エバラ食品工業は「黄金の味」シリーズから32年ぶりの新テイスト、「さわやか檸檬」を2020年に発売。翌年にはシリーズ五つ目のテイストとして、「旨にんにく」を追加した。ニンニクを使った商品はコロナ禍で投入する企業が多く、キッコーマン食品は今春「わが家は焼肉屋さん」から新商品「焦がしにんにく」を発売した。もともと焼肉のたれとニンニクは親和性が高いことも相まって、新たなフレーバーとして市場に受け入れられている。

一方、焼肉のたれのベースにフルーツが使われていることは、あまり知られていない。フルーツベースのたれの代表格にエバラ食品工業の「黄金の味」があるが、焼肉店でもリンゴやナシといったフルーツは、昔からたれの基本として使われている。フルーツの甘みや酸味が肉のうまみを引き立てるという。

そんな焼肉のたれの基本価値を伝えるため、エバラ食品工業は「黄金の味」新TVCMで、原料の3分の1が国産リンゴというフルーツベースの特徴を訴求。キッコーマン食品は、野菜と果実を50%以上使用した“超”シリーズの野菜と果実の比率をさらに増やしリニューアルした。

焼肉のたれに欠かせない試食販売に制約がある中、イメージキャラクターの効果も見逃せない。エバラ食品工業は、相葉雅紀を起用したTVCMのメイキング動画を初めて公開。TVやSNSで取り上げられ話題となった。キッコーマン食品は「わが家は焼肉屋さん」が発売20周年を迎え、新たにKing&Princeの平野紫耀をCMキャラクターに起用。5月の大型連休中にTVCMを放送したところ、店頭で売り切れが続出。ツイッターでの投稿も多く見られ、「ファンが商品を探し回る現象が起き、全種類の味を揃えるファンもいる」(同社)という。幅広い世代に人気のアイドルをイメージキャラクターに起用することで、今まで焼肉のたれに親しみのなかった消費者が購入する機会にもなっている。

●関連記事「焼肉のたれ特集」

https://news.nissyoku.co.jp/special/855012

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