全味、「みそ健康づくり委員会」を設置。味噌のPR活動を具体化
味噌業界あげてのPR活動が具体化に向けスタートを切る。5月30日、山口県で開催した全味の通常総会で、PR委員会(委員長‐藤森郁男㈱竹屋社長)が答申した「基本方針」を承認。拠出金は、出荷一㎏につき五〇銭を会員一律に徴収することを決定した。
基本方針では、味噌そのもののPR活動に向け、専門機関として「みそ健康づくり委員会」(仮称)の設置を提言。全国味噌工業協同組合連合会(全味)に、「PR推進委員会」を新設し、「健康づくり委員会」を監察、支援するとしている。このため、当面は全味の理事、事務局および中央味噌研究所などの関連団体、会員の中から、「PR推進委員会」の構成メンバーを決定。その後、「みそ健康づくり委員会」の委員長をはじめとした外部スタッフを組織し、具体的PR方法などの検討に着手する段取りになる。
いずれにしろ、難航を続けた「第一幕(企画)はこれで終わりにし、第二幕(実施)の幕を上げる時」(藤森委員長)との熱意が実り“流産”だけはまぬがれた形。ただ、新設組織のメンバー構成をはじめ、PRの実施方法、拠出金の徴収時期などを含め、具体的に動き出すまでには、難問も山積。第二幕のシナリオが“脱稿”するまでには、かなりの時間が必要になりそう。
味噌の出荷ペースは、平成を迎えて急減したことで、業界の危機感が急速に高まり、平成3年4月に全味内部に体質改善委員会(委員長‐宮武賢㈱イヅツみそ社長)を設置。業界の問題点を多角的に分析し、その答申に沿って平成3年9月に、需要拡大のためのPR委員会の設置が決定。これまでに五回にわたる委員会を開催し、今回の最終案(基本方針)をとりまとめた。当初は、3月の臨時総会で決定の予定であったが、拠出金(一㎏一律一円)をはじめ、各論(PR法等)についての異論が多く、拠出金修正案(一律五〇銭)をはじめ、「もう少し(PR戦略の)具体案を」と、決定がズレ込んでいた。
今回の総会でも、メーカー規模格差への配慮(拠出金)や、市場価格の乱れに対する声もあったが、味噌PR戦略の基本的考え方のPR委の答申を承認。需要拡大に向け、スタートを切った。