ワインもノンアル化 健康志向で各社注力
新型コロナウイルス禍でノンアルコール飲料市場が拡大する中、アルコール分を含まない商品を提案する動きがワイン業界にも波及してきた。健康意識の高まりなどを背景に、すでにビール・レモンサワー風飲料が登場し、消費者の商品選択肢を広げている。ワイン各社はノンアル商品のほか、アルコール度数を抑えたワインなども投入し消費者の需要を開拓する。(岡朋弘)
ワイン市場に占めるノンアルワインの構成比は0.6%程度にとどまるとされ、ノンアルワインの商品選択肢が少ないという課題があった。
そうした中、サントリーワインインターナショナルは3月1日にノンアルワインの新ブランド「ノンアルでワインの休日」を発売し、ノンアルワイン市場を開拓していく。
同品は缶入りで、赤白の2種(各350ml・参考価格税抜き150円)を揃える。醸造したワインからアルコール分を取り除いてつくったワインエキスを使用。7年の開発期間を経て、ノンアルでも本格的なワインのような味わいが楽しめる中身に仕上げた。
メルシャンは21年、スパイスやハーブを加えたワインテイストの「MOCK Bar(モクバル)」を投入。ジュースやノンアルRTD(開栓してそのまま飲める飲料)にはない独自価値を提供し若年層を中心に需要を開拓している。22年年間ではノンアルワイン計で68%増の4.3万ケースの販売を目指す計画だ。
サッポロビールは輸入ワインの主力ブランド「イエローテイル」から、アルコール度数を抑えた「同ピュア・ブライト」(赤白2種)を4月5日に投入し家飲み需要の開拓を加速する。一般的なワインのアルコール度数は12%前後だが、同品は赤が11%、白が9.5%と度数が低い。健康を気にする40代のワインユーザーの需要を狙う。