社長室にキッズルーム 老舗企業が「女性とママの視点」で働き方改革

社長室内のキッズルーム

社長室内のキッズルーム

1760年ごろから名古屋圏の和食文化を支えてきた食品業界の老舗卸のタキモ本店が、令和時代においても他社に先駆け働き方改革を進めている。先頭に立つのは創業家出身の早川敏江社長。改革の基本は「女性とママの視点」で、柔軟な勤務時間と子連れ出勤を可能にするため、社長室の一角にキッズルームを作った。自身も4人の子育てに奮闘した経験があり、専業主婦だった当時は、世間にママが働ける環境がなかった苦い経験がある。

柔軟な勤務時間でママが能力を発揮

目指したのは、「地域のママの能力を埋もれさせない」こと。現在は、外資系や大手コンサルタント出身など、キャリアがありながら子育てという事情で辞めざるを得なかったママたちが、柔軟な勤務時間の中でその能力をいかんなく発揮している。

現在、子育てをしながら勤務しているのは、地元のママ4人。雇用形態はアルバイトだが、勤務の基本的管理の考えは、時間ではなく、一つ一つの仕事にあり、期日までに仕事を終えれば、働く時間は自由に設定できる。勤務の途中で幼稚園の迎えに行き、その後に子どもと一緒に出勤することも可能だ。

社長室内のキッズルーム

そして数年後、子育てが落ち着き、正社員として働けるようになったら「当社に限らず、活躍の場を見つけてほしい」と早川社長は願っている。

また、外国人の採用も積極的。同社正社員でガーナ出身のアブラハム・シャーさんは以前、ハローワークから「良い子だがなかなか採用が決まらない」と相談があった。早川社長は面接すると、その優しく真面目な人柄に採用を即決した。今では得意先のホテルや外食店から「アビちゃん」と親しまれ、流ちょうな日本語を駆使して活躍している。

一方、働き方改革として、10月末で、受注の24時間対応をやめた。苦渋の決断だったが、今まで通りのマガモなどの特異な商品提供と真摯(しんし)なサービスを継続させることで、厳しい和食の世界で「お客さまの味を守り続けていく」と、和食界のさらなる発展を見据える。

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