ロボットが踊るヘンテコCMの狙いは…「口下手」なフルタ製菓流の話題の作り方

フルタ製菓のCM 「ビヨンド ザ フルタ」

フルタ製菓のCM 「ビヨンド ザ フルタ」

「びょーんびょーんびょびょびょびょびょーんビョンド・ザ・フルタ」という脱力系の音楽に合わせ、頭にセコイヤチョコのアンテナを付け、シュールにロボットが踊るフルタ製菓のTVCMが視聴者の度肝を抜き、トレンド入りするなどバズっている。古田織部やフルタマンなど「ヘンテコなCM」として常に話題になる同社のCMについて取材した。

最新のCMは新時代の令和をコンセプトに「ビヨンド・ザ・フルタ」を掲げ「ロングセラーの商品も多くあり、レガシーを積み上げていきながら、新しい時代にさらに進化していく」(堂浦可奈子企画開発部課長代理)という“真面目な出発点”だったが「できてみたら、なぜかロボットが踊り出していて–」(同)と笑う。

フルタ製菓のCM 「ビヨンド ザ フルタ」

「スター☆トゥインクルプリキュア」中に初めて流れ、AIロボットが働く世界観の「仮面ライダーゼロワン」を意識したのではとネットで騒がれたが「全くの偶然」(同)とし「プリキュアも仮面ライダーゼロワンも当社も『新しい時代に思いをはせる』点では共通していたのだが、当社だけ少しベクトルが違っていた」(同)と苦笑。

だが視聴者もすでに心得ていて提供枠でフルタ製菓と発表された段階で「また、変なCMがくるぞ」と待機状態になっていた。

同社は着実に成長を遂げている会社だが売上げ規模は約220億円。大手菓子メーカーのようにCMを大量投下するのは難しく、少ない回数で“爪痕を残す”しかない事情もある。

しかし、費用をかけずにできるSNSでの広報は行っていない同社。「将来的には相互コミュニケーションをしていきたい」(同)とするが「逆にSNSで発信しない“口下手な”フルタ製菓だから、SNSユーザーが『自分が代わりに広げてあげないと』と温かい気持ちで拡散してくれている」(同)と感謝しきり。

古田盛彦社長

なお、いまCMでもサブリミナル的に登場した人気のフルタマン。「フルタマンはフルタ製菓の社長では?」という噂もあり、また復活の要望も多く来ていることを同社社長にぶつけると、古田盛彦社長は「いつオファーが来てもいいように、日々体作りに努めている」とコメント。

最近、なぜジム通いにいそしんでいるのか不思議に思っていた同社社員は“そのためだったのか?”と納得していた。

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