巣ごもりで人気急上昇の「袋一つでできる便利な粉製品」3品を比較レビュー

「袋一つでできる」便利な粉系商品

「袋一つでできる」便利な粉系商品

新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛で、ファミリー層を中心にホットケーキミックスや唐揚げ粉といったプレミックス製品の売上げが激増した。今回は、粉製品の中でも「袋一つでできる」便利商品にスポットを当てた。洗い物や調理の時間が削減でき、小さい子どもと一緒に手軽に手作りを楽しめることが従来の製品との大きな違い。「もみもみホットケーキミックス」(森永製菓)、「めちゃラク ホットケーキミックス」(ニップン)、「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」(昭和産業)を実際に使って、便利さや味、コストパフォーマンスを比較した。

ボウル不要で手を汚さずにホットケーキが作れる

「もみもみホットケーキミックス」は森永製菓が2018年8月に発売。ホットケーキミックスといえば、1957年の発売から同社の主力ロングセラー商品の一つであり、印象的な赤いパッケージは一般ユーザーにも馴染みが深いだろう。

そのお馴染みのホットケーキミックスが現代人のニーズにあわせて進化を遂げ、より便利なプレミックス製品として登場。商品のポイントは「片付けがラク」という点だ。卵と牛乳を加えた本格的なホットケーキをキッチンや手を汚さずに作ることができる。

「もみもみホットケーキミックス」(森永製菓)

<便利さ・使いやすさ>
薄いプラスチックの袋に牛乳や卵を加えることに不安があったが、安定感のある構造になっていて全く問題はない。

手順がパッケージ裏に明記されている

牛乳を入れる量が点線で表記してあり、量る手間も不要。注意が必要なのは、先に卵を入れてしまうと牛乳の量が正確に量れなくなるため、表記されている手順通り、牛乳→卵の順に加えることだ。

牛乳と卵を入れる

袋の中ほどに絞り出し口(注ぎ口)が付いていて、使い勝手がいい。すべて絞り出したら、ゴミ箱へポイで片付けが完結する。

<味>
いわずと知れた「森永製菓のホットケーキミックス」感があり、安定の味わいと香りだ。焼き上がりは厚みがあり、ふっくらとキメも細かい。卵や牛乳を加えているため、しっかりした食べ応えがある。優しい甘さで、フルーツやクリームなどでアレンジもしやすいだろう。

安定の味わいと香り

<価格>
1袋120g入でオープン価格。店舗によって販売価格が異なるが、相場は166~198円ほど。

<コスパ>
1袋で、直径約12cmのホットケーキが3枚分。ボウルで作る従来のタイプは、150gで200円前後。300g、600gといった大袋はさらに価格が安くなるが、便利さを求めるなら妥当な価格といえるだろう。

<購買ポイント>
手間や時間はかけられないが、栄養価や手作り感にもこだわりたい。そんな子育て世代に活用してほしい商品だ。

水だけでホットケーキが作れてコスパ良し

「めちゃラク ホットケーキミックス」は「オーマイ スパゲッティー」や「オーマイ 天ぷら粉」でお馴染みのニップン(日本製粉)が2019年8月に発売。袋に表記されているように、牛乳や卵の用意も必要なく、水だけでおいしいホットケーキができる画期的な商品だ。

とはいえ、ホットケーキミックス自体に粉末化された乳成分や卵が入っているため、アレルギーを持っている人は気をつけた方がよい。「材料が入手にしくい」「洗い物を増やしたくない」といった、キャンプなどのアウトドアにも便利な商品だ。

「めちゃラク ホットケーキミックス」(ニップン)

<便利さ・使いやすさ>
水を入れる量を点線で表記してあり、計量カップ不要。スプーンを使い、袋の中で混ぜるという工程でも、粉と水の混ざりがよくダマになりにくい。

手順がパッケージ裏に明記されている

1分程度かき混ぜれば、ボウルで撹拌したような、なめらかな生地が出来上がった。フライパンに生地を絞り出した後、袋の周りに垂れやすい点が若干扱いにくかった。

袋の中で混ぜる

<味>
牛乳と卵を加えて作る従来のホットケーキミックスと比べても、遜色がない味わいに驚かされた。焼き上がりは、ふんわりと厚みがあり、あっさりと軽い食感で、水だけとは思えない仕上がりになる。ほどよい甘さで、パンケーキのように卵料理やソーセージなどとも相性がいい。

ふんわりと厚みがあり、あっさりと軽い食感

<価格>
1袋150g入で、希望小売価格151円(税込み)。

<コスパ>
材料は一切必要がなく、110mlの水だけで直径12cm程度のホットケーキが3枚できる。子どものおやつなら、十分に2人分は作ることができる。味のクオリティも加味すると、非常にコスパのよい商品といえるだろう。

<購買ポイント>
普段使いというより、いざというときの時短アイテムとして食品庫にストックしておきたい商品。「1人分のランチを簡単に済ませたい」「急に子どもの友達が遊びに来た」「アウトドア時」など、さまざまなシーンで重宝するだろう。なお、2020年2月に姉妹品の「めちゃラク クッキーミックス」も発売している。

天ぷらが誰でも簡単にずっとサクサク

「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」は、2020年に「昭和てんぷら粉」の発売60周年を迎えた昭和産業が、3月に発売した新製品。近年、共働きで家事に時間をかけられない世帯が増加し、天ぷらを家庭で揚げることが減少傾向にある。そこで油の処理や調理器具の後片付けといった、天ぷらのネックを払拭できる商品が開発された。

「片付けいらず」「誰でも簡単にずっとサクサク」「少ない油で揚げられる」という3つが本品の特徴であり、訴求ポイントだ。小さな子どもを持つ若い主婦層をターゲットにした商品であることが、パッケージデザインからも理解できる。

「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」(昭和産業)

<便利さ・使いやすさ>
袋を開け、水と具材を加えて揉むだけで、天ぷらを揚げる準備が完了する。しかし、マイタケなどは形が崩れやすいため、後から入れた方がきれいに仕上がった。親切丁寧な説明が記載され、失敗なく作れるよう配慮されている点は、天ぷら初心者には嬉しい商品だろう。

手順がパッケージ裏に明記されている

気になった点は、袋がやや小さく、揚げるときに具材を袋から出しにくい。ボウルでの調理に慣れていると、袋は使いにくいと感じた。

水と具材を加えて揉むだけ

<味>
売りの一つ、「少ない油で揚げられる」というのを実践してみた。記載されている深さ2cmというと、ほとんど揚げ焼きに近い状態だが、確かにサクサクで油っぽさのない仕上がりになる。薄付きで、ほんのりと卵の風味がする衣で、うまみもある。

サクサクで油っぽさのない仕上がりに

<価格>
1袋60g入で希望小売価格 150円(税抜き)。

<コスパ>
少量の油でサクサクに揚がることを特徴とした天ぷら粉製品は他社でも展開している。ニップンの「油少なめてんぷら粉」(500g・300円程度)、日清製粉の「サク揚げ天ぷら粉」(150g・273円)などである。その点、本品には洗い物の手間を省いた袋を使うアイデアは楽しさや面白さがあるものの、便利さはいま一つという印象だ。

<購買ポイント>
天ぷら初心者が、失敗なく天ぷらを作りたいときにお勧めしたい商品。また、うどんやそばのトッピングに少量だけ天ぷらが必要なときにも役立ちそうだ。

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