県の逸品:熊本県 瑞鷹「東肥赤酒」 料理用で幅広く支持

酒類 ニュース 2020.06.15 12065号 01面

【九州】瑞鷹は1867年に創業した熊本市の蔵元で、日本酒や本格焼酎などで自社銘柄を持つ。同時に、熊本地方の伝統酒・赤酒を扱う酒造メーカーの一社でもある。自社ホームページ内には「赤酒.com」という特設サイトを設け、料理酒としての用途を訴求する。

赤酒の最大の特徴は「灰持酒(あくもちざけ)」である点。製造工程でもろみに木灰を入れることで、酸敗を防ぎ保存性を高める。そうした古来の製法が受け継がれている。熊本県内では、地酒として特に正月のおとそとして親しまれてきた。江戸時代に「御国酒」として保護された歴史も持つ。

県外で広がっているのは料理用途。同社の「東肥赤酒(料理用)」も飲食店、調味料を扱う食品メーカーといった業務用を含め引き合いがある商品だ。同品の製造過程で木灰を加えることで、酒の成分は酸性から微アルカリ性に変わる(木灰は搾りやろ過の工程で完全に除去)。これにより、魚や肉の身をふっくら軟らかく仕上げられるという。

熊本県で生まれ育った赤酒は、料理の場面で県外で幅広く支持を集めてきた。地域発商材として、今後どんな広がりをみせるのか注目したい。(大屋良太)

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