酒類流通の未来を探る2025

酒類市場は健康志向や節約傾向を背景に、量から質への転換期にある。ノンアル飲料は家庭用で前年比6.5%増、業務用でも8.8%増と成長した。酒税改正でビール需要が回復する一方、アルコールとの付き合い方も変化し、適正飲酒の発信が課題となっている。国内需要縮小の中、インバウンド向けに日本酒やウイスキーなど高付加価値品の提案が活発化。日本酒は輸出国数が80ヵ国に拡大し、金額も伸び高価格帯の需要が増加している。
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◆酒類流通の未来を探る:変わる酒との付き合い方 酔わない時代への過渡期
酒類 特集 2025.08.09酒類市場が過渡期にある。健康志向を背景にあえて酔わない選択肢が広がり、アルコールとの付き合い方が変わっている。従来の飲酒文化が変わりつつあるが、生活を潤す「必潤品」としての重要性は変わらない。新たな時代への酒類の在り方を探る。(岡朋弘) 足元では物…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:RTD=増税見据え価値訴求
酒類 特集 2025.08.09酒類市場の数少ない成長分野の一つが缶チューハイをはじめとするRTDだ。多様な味わいやアルコール度数から選べる楽しさが魅力。近年は“甘くない”無糖フレーバーが人気を集め、さらなる市場拡大のけん引役となっている。25年も伸長は確実視されており、新規ユーザ…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:ノンアルコール=業務用開拓加速、海外銘柄揃う
酒類 特集 2025.08.09ノンアルコール飲料は、社会的な健康志向の高まりを背景に着実な伸びを続けている。新型コロナ下でさらに注目を集め一層の伸びを記録。その後、落ち着きを見せながらも伸長基調に変化はない。加えて若年層の間で“あえて酔わない”飲酒スタイルが広がっていることも追い…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:やまや・佐藤浩也社長 売場で宝探しを
酒類 特集 小売 外食 2025.08.09◇巻頭interview ◆より良く より豊富に より安く 酒類専門店「やまや」や居酒屋「はなの舞」など約1000店舗を全国に展開するやまや。独自の商品調達力を生かし、世界各国の珍しい銘酒を松、竹、梅の価格帯で取り揃える。「売場で宝探しを楽しんで…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:小売最前線 SM=家飲みに全方位で対応
酒類 特集 小売 2025.08.09●酔わない楽しみ提案を強化 酒類の販売チャネルとしてスーパーに期待される役割は、家庭でのあらゆる飲酒シーンに対応することだ。日常的なストック用途には価格も重要だが、嗜好(しこう)品のカテゴリーとして品揃えのバリエーションも無視できない。また、食との…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:小売最前線 CVS=独自商品で差別化へ注力
酒類 特集 小売 2025.08.09●付加価値型開発に重点 CVS各社は、オリジナルの独自商品で差別化に注力する。PB商品で手頃な商品を展開する一方、付加価値商品の開発に重点を置く。CVS各社は付加価値の高い特徴ある商品で勝負し、客層拡大と来店動機の向上を図る。 ローソンは、酒類の…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:外食最前線 飲酒業態もプレミアム消費 昼飲み拡大か
酒類 特集 外食 2025.08.09日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査によると、2024年の外食需要はコロナ禍のダメージからの回復傾向がみられ、外食全体の売上げは前年比8.4%増、飲酒主体のパブレストラン・居酒屋業態では同5.5%増で引き続き伸長した。利用客数も前年を上回り、…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:ノンアル・低アルコール=大手卸 展示会での提案活発
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇市場拡大への取り組み 7月に開催された大手卸の展示会では、ノンアルコール・低アルコールの提案が活発だった。健康意識の高まりをとらえ、若者や50代以上の需要を取り込こめる施策として提案した。 三菱食品の展示会では、あえてノンアルコール(低アル含む…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:ノンアル・低アルコール=アサヒビール 「ドライゼロ」樽…
酒類 特集 2025.08.09◇市場拡大への取り組み アサヒビールは6月20~22日までの3日間、ノンアルコールビールの「ドライゼロ」とおつまみの食べ合わせが楽しめるキッチンカー「新ドライゼロスタンド」をJR仙台イーストゲートビル1階に出店。連日多くの人々が足を止めた。 ノン…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:海外=モトックス 和酒で欧州開拓へ 米国関税措置も注視
酒類 特集 2025.08.09◇市場拡大への取り組み 和酒輸出を手掛ける有力ワインインポーターのモトックスは、海外市場の開拓を強化する。現在は米国、中国を中心に輸出しているが、今後は欧州市場に拡大余地があるとみて、新たにオーストリアやドイツなどへの輸出を開始し、欧州をはじめとす…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:海外=獺祭 社名変更でブランド強化 米国に酒蔵建設
酒類 特集 2025.08.09◇市場拡大への取り組み ●海外戦略本格化 日本酒「獺祭」の蔵元である旭酒造が6月1日付で社名をブランド名と同じ「獺祭」に変更した。獺祭というブランドによりコミットすることで、日本国内だけでなく海外での新たな展開も図っていく同社の方針も垣間見える社…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:名畑 魅力ある業界へ利益を投資に
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇エリア有力卸の取り組み 業務用酒類食品卸の名畑は、飲食店向けのスマートフォンを使ったセルフオーダーシステム「スマホオーダー『よろこんで』」と、グラスなどの洗浄力の高さで厨房の課題解決につなげる「ミラブルプロダイナー」の販売に引き続き注力する。名畑…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:新潟酒販 グループ力生かし県産酒拡売
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇エリア有力卸の取り組み 新潟県内トップの酒類卸・新潟酒販は国分グループの強みを生かし、引き続き県産酒の拡売に力を入れていく。また、新潟カーゴサービスを活用した物流事業も、着々と県内での影響力を高めている。佐渡島の世界文化遺産登録をはじめとしたイン…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:秋田屋 今期100周年 新中計スタート
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09●前期、高付加価値品が貢献 名古屋市の秋田屋の前期99期(25年7月期)はチャネルごとに異なる販売戦略を展開するとともに高付加価値商品を強化したことで、総利益は前年を上回る着地が予想されている。また、法人設立100周年を迎える今期から人口減少などの…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:市場拡大への取り組み ノンアル・低アルコール、海外が商…
酒類 特集 2025.08.09酒類市場の縮小が続く中にあっても、今後も伸長が期待できるのがノンアル・低アルコール飲料と海外市場だ。ノンアル・低アルコール飲料は健康志向の高まりなどを背景に市場が拡大し、海外では高品質な日本産酒類の需要が高まっている。酒類各社による活発な取り組みが広…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=国分グループ本社 未来に続く酒文化掲げ
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇国分グループ本社 佐藤公彦マーケティング・商品統括部酒類部長兼戦略推進室部長 国分グループ本社は今年の酒類総合展示会のテーマを「未来に続く酒文化」に据え、「伝統と継承」「革新と進化」などの切り口で需要開拓策を示し、酒類業界の明るい未来創出に向けた…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=日本酒類販売 ハイボールで和酒復権
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇日本酒類販売・村上浩二取締役専務執行役員営業本部本部長 日本酒類販売は今期から第2次の中期経営計画を始動。今後3年を第1次中計の「基盤づくり」から新たな成長に向け「進化」に至る期間と位置付ける。村上浩二取締役専務執行役員営業本部本部長は、いまの酒…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=三菱食品 マーケティング全方位に展開
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇三菱食品・細田博英取締役常務執行役員商品統括 データ分析を得意とする三菱食品は、多様化する生活者のニーズに応えるためデジタルを基軸としたマーケティングを全方位に展開する。データに基づいた精度の高い打ち手をメーカー、小売業に示し、食と組み合わせた魅…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=三井物産流通グループ 次世代卸へ進化を…
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇三井物産流通グループ・三井食品ユニット商品本部 佐藤友治氏 三井物産流通グループは今年、5社による大型統合から2年目を迎える。食品卸に特化していた旧三井食品に、統合により商品やパッケージの開発、幹線物流を含む緻密な配送ネットワークといった新たな機…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=伊藤忠食品 売場活性化に電子看板
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇伊藤忠食品・森洋之商品本部本部長 全国の小売店に1万台以上のデジタルサイネージ(電子看板)を設置する伊藤忠食品は、酒食をつなぐ販促提案で売場を活性化している。単なる商品提案にとどまらず、売場作りや体験価値の提供まで、小売店・メーカーと一体となって…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:全国系卸の戦略=日本アクセス 食酒連動で魅力伝える
酒類 特集 卸・商社 2025.08.09◇日本アクセス・俵積田秀剛酒類MS部長 若者向けブランド「チル酒(しゅ)」を展開する日本アクセスは、お酒の売場と若者をつなぐ提案に力を入れている。強みのチルド物流と食酒連動を促し酒類の魅力を伝え、若者や女性の需要を掘り起こす。俵積田秀剛・酒類MS部…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:北海道=個性豊かな「酒の王国」へ 冷涼気候が多彩な醸造…
酒類 特集 2025.08.09本紙北海道支局が北海道内の食に関わる製造工場数を独自調査したところ約5330ヵ所となったが、そのうち酒類カテゴリーは3%の構成である。 北海道は食の王国で知られるが、いま「酒の王国」としても脚光を浴びつつある。道産のワイン、ジャパニーズウイスキー、…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:東北=ノンアルに価値ある提案 品揃えの幅広げ楽しみ開拓
酒類 特集 2025.08.09ノンアルコールビールを飲んだことがない層においしさを知ってもらおうと、アサヒビールは6月20~22日までの3日間、JR仙台駅東口にキッチンカーの「新ドライゼロスタンド」を出店。3月にリニューアルした「ドライゼロ」とおつまみをセットで提供し相性をアピー…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:新潟=個人消費は持ち直し傾向 日本酒輸出、過去最高を更…
酒類 特集 2025.08.09新潟県内は物価上昇の影響を受けつつも、個人消費は持ち直しの傾向がある。飲食店も同様だが、居酒屋など2次会や3次会メーンの店では厳しい状況が続く。コロナ禍による生活様式の変化が定着しているとする向きが強い。 一方で、小売店はノンアルコールを中心に、お…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:山梨・長野=水清き「長野の酒」を発信
酒類 特集 2025.08.09●米国バイヤー招き初商談会 長野県は酒蔵の数が約80と全国で2番目に多く、豊富な水や地元産の酒米などを使い、各地で個性豊かな酒造りが行われている。県酒造組合はこれら「長野の酒」の魅力を世界に発信しようとこの春、新たなブランドコンセプトとシンボルマー…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:関東=日本酒の需要活性化推進 海外向け・酒ハイ提案など
酒類 特集 2025.08.09関東エリアは日本酒の需要を活性化させる取り組みが目立つ。日本酒ファン向けのイベントをはじめ、これまで日本酒になじみが薄かった若年層を対象にした飲み方「酒ハイ」提案などが見られるほか、卸によるインバウンド需要を取り込むための施策も広がっている。 7月…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:中部=生活防衛意識で飲食苦戦 日本人利用客、著しく減少
酒類 特集 2025.08.0925年の中部地区の酒類をめぐる市場環境は、物価高に伴う生活防衛意識の高まりを受けて、特に年末年始以降、多くの飲食店で苦戦が続く。一方、外国人観光客でにぎわう伊勢(三重県)や高山(岐阜県)、ターミナル駅のある名駅周辺の飲食店は軒並み好調なものの、日本人…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:近畿=万博でコラボ日本酒発売 公式商品で土産需要に対応
酒類 特集 2025.08.09大阪・関西万博が開催されているお膝元の近畿エリアでは、会場の内外で酒類に関する動きが活発化している。万博会場内のオーストリアパビリオンなどでは、オーストリアと獺祭(6月1日に旭酒造から社名変更)がコラボして製造した「獺祭 未来を作曲」を万博の閉幕日ま…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:中国=サクラオ、新蒸留所を建設 ウイスキー情報発信基地…
酒類 特集 2025.08.09サクラオブルワリーアンドディスティラリーは、広島県廿日市市吉和に新蒸留所「SAKURAO DISTILLERY FOREST SITE(サクラオディスティラリーフォレストサイト)」を建設する。今年の3月3日には現地で地鎮祭が執り行われ工事の安全を祈願…続きを読む
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酒類流通の未来を探る:九州=GWに大規模ビール企画 佐賀大の清酒取り組み息長…
酒類 特集 2025.08.09九州、特に福岡では大々的な酒類イベントが頻繁に開催される。一例を挙げれば、今年のゴールデンウイーク期間中の4月29日~5月5日には、福岡の天神中央公園で、「KYUSHU CRAFT BEER WEEK 2025」が開催された。九州・山口のクラフトビー…続きを読む