協同乳業、「次世代型ヨーグルト」キックオフ 直接的アプローチを訴求
協同乳業は8日から、「次世代型ヨーグルト」と位置付ける新商品「LKM512ヨーグルト+(プラス)」の販売をスタートさせた。細胞の健全性を維持する物質とされる「ポリアミン」を腸内で増やす同品は、腸内細菌叢から有用物質を産生させ、生体に供給するという、新しいコンセプトのヨーグルト。動脈硬化などの疾病予防に直接的アプローチする商品として、健康寿命の延伸に貢献を目指している。
同品は、同社が20年来にわたる研究を重ね、全生物に存在し、細胞の分裂や成長などに欠かせない物質である「ポリアミン」を、腸内で産生させることができる脂肪0タイプのヨーグルト。従来のプロバイオティクスヨーグルトでは、腸内細菌叢の改善や、有害物質の阻害などに焦点を当てたものが多かったが、同品は腸内細菌の複雑なメカニズムによる代謝産物に着目。課題であった個体差を、同社独自のビフィズス菌「LK512」とアルギニンによる特許技術で、個人差なく腸内で「ポリアミン」を増やすことができる。
「ポリアミン」は、最近の研究では動脈硬化の初期段階に低下する、血管内皮機能の改善効果などが報告されており、長寿の人には血中総量が多いというデータもあることから、老化の予防も期待される話題の成分だ。同日に開催された新商品発表会で後藤正純社長は、「学術的にも極めて新しい発想。『ポリアミン』研究のリーディングカンパニーとして、たゆまぬ努力と消費者の健康に役立つ研究を進めていきたい」と自信をもって今後の方向性を示した。
新商品発表会に先駆けて行われたメディアセミナーでは、内藤裕二京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授と、松本光晴同社研究所技術開発グループ主幹研究員が講演。腸内は「全身の健康の司令塔」であることをあらためて強調し、腸内細菌が何を産生しているのかが研究対象として進められるべき点を指摘するとともに、大腸における「ポリアミン」の産生メカニズムと期待される効果を解説した。(小澤弘教)