食品産業文化振興会、森山和道氏が講演 協働ロボット活用を

森山和道氏

森山和道氏

 日本食糧新聞社主催の食品産業文化振興会は8日、講師にサイエンスライターの森山和道氏を迎えて「飲食・食品業界におけるロボット活用の現状と展望」をテーマに東京・八丁堀の食情報館で開催した。コロナ禍で会合が制限される中、三密を考慮した会場参加とWeb講演・受講の3元体制で開催した。

 森山氏は「2015年から3回目のロボットブームが到来し、従来の特定ラインや用途で連続稼働する固定式の産業ロボットだけでなく、移動可能で異なる小ロットラインでも稼働率向上を目的とした協働ロボット(人と専用設備の中間的役割)の導入で少人数の作業を代替できるようになってロボットが設備から道具へと変わってきた」と説明した。

 「迅速かつ大量生産を目的とした産業用ロボットも進化し続けているが、物流、外観検査、農業、食品工場、小売・サービス業など人を大量投入する労働集約型産業でロボットの投入により、自動化がようやく始まった」とし、「最近のロボット活用のキーワードの一つは“あいだをつなぐ”ことで、生産と生産・生産と包装・包装と箱詰め–などの“あいだ”でまだ人手だった部分が徐々に自動化が進んできた」と語った。

 そのため、産業用ロボットと協働ロボット、既存設備、人をどう組み合わせるかが最善ラインの構築のキモとなり、人とロボットが協働すべき領域、無人のほうが効率が良い領域、両者の適切な配分・切り分けが重要になるという。そして、サービスロボットの考え方と産業用ロボットの考え方が組み合わさって、新しいロボットのあり方が生まれつつあることを示唆した。(宇津木宏昌)

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