食品産業文化振興会、田瀬和夫氏が講演 「SDGsは人類の生存戦略の到達点」

田瀬和夫氏

田瀬和夫氏

 日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は10日、講師にSDGパートナーズ代表取締役CEOの田瀬和夫氏を迎えて「SDGsで変わるビジネス~SDGsとサステナブルな食料システム構築のヒント~」をテーマに東京・八丁堀の食情報館で開催した。コロナ禍で会合が制限される中、Web講演・受講のウェビナーを開催した。

 田瀬氏は「第二次世界大戦後の『平和・開発・人権』という体系と『環境・持続可能性』という体系が統合されたのがSDGsだ」と説明した。SDGsは「1945年10月24日に発行した『国連憲章』が人類初の共存戦略であり、時間の次元を加えて2030年に人類がありたい姿を文章として合意した」ものであり、「人類の生存戦略の一つの到達点」とした。SDGsが目指す世界像・ストーリーには「(1)世代を超えて(2)全ての人が(3)自分らしく(4)よく生きられる–という要素がある」とし、これからの企業活動は「継続的に金を稼ぎ利益を得ながら、社会に善をなすべきであるという大義の下で取り組む」必要性を示唆した。「企業は自社が成長すれば社会が良くなることを論理的に示す『総合思考((1)良い組織・強い組織(2)良い事業・強い事業(3)利益と社会的善)』による経営をしなければ生き残れない」ことを強調。

 「飢餓は、目標4教育の欠如、目標8人材の欠如、目標16政策とガバナンス欠如、目標10経済の失敗と不平等による『負のSDGsドミノ』の結果であり、紛争と社会崩壊の原因ともなる」と指摘し、「WFPをはじめ人道機関はこの結果に対処している」と飢餓撲滅の意義を説明した。さらに進めて「食糧問題解決はSDGsの17の目標全てを解決するものでもある」とした。(宇津木宏昌)

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