食品経営者フォーラム開催 ニッポンドットコム・赤阪清隆理事長が講演 日本の方向性示す

赤阪清隆理事長

赤阪清隆理事長

 日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラムが23日に開催され、ニッポンドットコムの赤阪清隆理事長(元国連事務次長)が、「不安定な国際秩序と期待される日本の役割」をテーマに講演した。失われた30年といわれ、経済活動に停滞感が漂う中、赤阪氏は「日本は異常な国ではなく、世界が抱えることになる多くの課題である急速な高齢化、経済の停滞、自然災害のリスク、米中対立のはざまなどの問題に直面し、それらを解決していく先駆者だ」と語り、未来が開ける日本の方向性を示した。

 終わりの見えないロシア・ウクライナ問題、スーダン内戦や気候変動をはじめとする自然災害などの影響で、食料危機やエネルギー危機をはじめとする複合的な危機は、急激な飢餓状態となっている人々の増加にもつながっている。一方で、先進国を中心に世界食料生産量の3分の1に当たる約13億tの食料が毎年廃棄されているという現実もある。また、21世紀になってSARS、鳥インフルエンザ、MERS、エボラ出血熱、ジカウイルス、新型コロナウイルス感染症、サル痘と新型感染症の感染危機にも直面し、赤阪氏は「ビルゲイツ氏が『コロナに続きまた別のパンデミックがくる』と警告している」と語った。

 高齢化が進む先進国にあって、赤阪氏は「早くから少子高齢化への対応を余儀なくされてきた日本が、雇用、健康保険、年金、介護保険制度など問題解決に動いてきたことだけでなく、大気汚染対策、省エネ、3R推進、大都市の交通対策、廃棄物処理、食品ロス対策、プラスチックごみ対策、大都市の交通対策などで確実に成果を挙げてきている」と紹介。また「東日本大震災からの集団防災移転促進事業、保健医療制度など誇るべき実績もある」として「日本は課題解決先進国として世界に貢献できる」とした。(宇津木宏昌)

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