「FABEX関西2020」インテックス大阪で10月28日開幕 経済回復・業界振興目指す

総合 展示会 2020.09.18 12116号 12面
インテックス大阪を会場に開催(2019年)

インテックス大阪を会場に開催(2019年)

出展者、バイヤーのニーズを事前に調整し好評なバイヤーズデスク(同)

出展者、バイヤーのニーズを事前に調整し好評なバイヤーズデスク(同)

展示会場では日本の第1次産業をサポート

展示会場では日本の第1次産業をサポート

 日本食糧新聞社は10月28~30の3日間、インテックス大阪1、2号館で関西唯一、最大の業務用食品・食材・機器・容器の総合見本市「FABEX関西2020」(第8回ファベックス関西2020、第8回関西デザート・スイーツ&ベーカリー展)、「第4回地域食品ブランドフェア」「第3回カフェ&ドリンクショー関西2020」を開催する。国内外においてもコロナ禍によって多くの商談機会が失われ、経済に深刻な打撃が懸念される中、本展示会では感染症のリスクを抑えながら出展・来場者双方向のビジネス再開をサポートし、一日も早い経済の回復と業界の振興を目指す。事前来場登録など詳細は「FABEX関西2020」の公式Web(http://kansai.fabex.jp/)まで。(山田由紀子)

 ●感染防止対策を徹底 食品界の活性化図る

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による世界経済の減速、海外への渡航制限などの影響で、MICE(見本市、展示会、商談会、国際会議など)を拡大してきた各国に大きな影響が出た。国際見本市や商談会は、軒並み開催延期や中止に追い込まれた。

 日本国内においても「スポーツ・文化イベント」の自粛要請、国内の感染者増、世界的な感染の急拡大と長期化などにより、日本の産業をけん引してきた多種多様な専門展示会の中止・延期が続いた。

 日本食糧新聞社は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催の今年、4月の「FABEX2020」、7月の「FABEX中部2020」、10月の「FABEX関西2020」と東京・名古屋・大阪の3都市での連続開催に向けて準備を重ねてきた。

 食品&飲料・OEMマッチングEXPO、ワイン&グルメジャパン、プレミアム・フードショー、麺産業展、食肉産業展など合同開催展7展が協力する東京会場は、インバウンド客増加やアスリート向け商材の販路開拓、輸出・海外進出などを目的とした出展社でキャンセル待ち。

 初開催の名古屋会場は「FABEX中部2020(第1回ファベックス中部2020、第1回中部デザート・スイーツ&ベーカリー展に加え、「カフェ&ドリンクショー名古屋」を新設し、中部地域の有力小売業界が実行委員に加わった「第1回東海スーパーマーケットビジネスフェア」との相乗効果の期待感が高まっていた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止、経済活動の自粛を背景にやむなく東京開催は中止、中部は21年に延期を決定。コロナ禍で売上げが減少、あるいは販路を失ったという企業から、関西の開催を切望する声が寄せられ、日本食糧新聞社は展示会を開催することで食品産業界の活性化に寄与したいと考え、来場者、出展社、関係者の健康と安全面を最優先に準備を進めている。

 具体的には、日本展示会協会が定めた「展示会業界におけるCOVID-19感染拡大防止ガイドライン」、FABEX後援団体である大阪観光局が大阪府・大阪市と連携し策定した「感染症のリスクを抑え、MICEを開催するための主催者向けガイドライン」を順守し運営を行う。

 ●問われるリアル展示会 創意工夫で改革の好機

 食の展示会の魅力は、何といっても五感にダイレクトに訴える演出だ。地域特産野菜やブランド肉などの1次産品から、世界に誇る特許技術を駆使した機器・装置に至る多種多様な出展品で構成される会場に期待し、バイヤーは視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を研ぎ澄まし、新たなビジネスの芽を探す作業に熱中する。

 バルーンなどの空間演出と時代を映すブース装飾、来場者を誘導する通路に敷かれた目にも鮮やかなカーペットの色。

 セミナーやイベント会場から発せられる複合音に、来場バイヤーを呼び込む出展者のはつらつとした声。

 新商品や一押し商品を最もおいしく提供するために試作を重ねた彩り豊かな試食・試飲。

 SDGsの考え方を取り入れた機能性や環境性に優れた容器・資材の存在感。

 製菓・製パンエリアでは焼き上がったばかりのパンやお菓子、バターやスパイスのえもいわれぬ香り。

 こうした食品展示会ならではの仕掛けが出展者と来場バイヤーをつなぎ、新たな取引や関係性を生み出す。

 FABEXにおいては出展企業の担当者が会場内を巡り、他社の取組みに触発され、さらに高みを目指すという好循環が特徴。

 また、新入社員の研修の場としても活用され、アポ取りが難しいバイヤーと名刺交換ができたり、サンプル提出につながることも多々報告されている。

 しかしコロナ禍においては、感染リスクを回避するための新たな手法として「オンライン」「バーチャル」の商談会が注目され、「リアル」と称される従来の展示会の在り方が問われている。

 例えば、試食を敬遠する空気の中で商談を決定する味の伝え方をどうするか、出展社の多くが頭を抱えている。簡単とはいえないが改革のチャンスと気持ちを切り替え、創意工夫することで新たな切り口の商品を生み出す。

 ◆4展の見どころ

 ●ファベックス関西

 中食・外食・給食業界向けの関西最大の総合見本市。

 ▽外食・飲食業界向け食材・機材・システム

 ▽情報を提供する「大阪外食産業協会(ORA)ゾーン」では、関西市場に適したビジネスの提案

 ▽「惣菜・べんとうグランプリ2020」「第6回介護食品・スマイルケア食コンクール」「漬物グランプリ」「日本食糧新聞社外食産業貢献賞」など、中食業界のトレンドが凝縮した商品群を展示

 ●関西デザート・スイーツ&ベーカリー展

 関西唯一の和洋菓子・ベーカリー開発専門展。

 ▽リテイルベーカリーの頂点を目指す国際パンコンクール「第8回モンディアル・デュ・パン日本代表選考会」では、気鋭のパン職人がフランス本選への出場を懸け競う

 ▽レ・アンバサドゥール・デュ・ジャポンが次世代を担う若手の育成と世界大会への登竜門の場を提供する「第4回最優秀若手ブーランジェコンクール」で22歳以下の選手を選抜

 ▽有名ラテアーティストによる実演「ラテアート・フリーポアーミニセミナー」は精鋭が聴講する人気イベント

 ●地域食品ブランドフェア

 小売・ギフト向けから業務用まで、日本各地の地域食品が集結。

 ●カフェ&ドリンクショー関西

 ドリンク市場にビジネスチャンスを提案するカフェ業界専門展示会。

 ◆注目セミナー

 食品業界の課題解決や最新トレンド情報を提供する「ファベックス出展社セミナー」。「事業再生と経営改革」「食品EC事業の作り方」「世界の食のトレンド」「コロナ対策と接客」「料理店の取組み」「本物EU食材と日本食材」「美味しいコーヒー」などがテーマとなっている。

 ▽コロンバン・小澤俊文氏「挑戦と発想で立ち向かう事業再生と経営改革」(28日)▽日本食研ホールディングス・児玉一穂氏「関西地方の食市場徹底分析!withコロナ時代に内食・中食・外食マーケットそれぞれに求められているコトとは?」(29日)▽全日本・食学会副理事長の門上武司氏「僕が注目する料理店の取り組み~キーワードは「ヴァーチャル」と「コラボレーション」(30日)

 ◆開催概要

 ▽名称=FABEX関西2020(以下4展総称)第8回ファベックス関西2020(同時開催:大阪外食産業協会〈ORA〉ゾーン)、第8回関西デザート・スイーツ&ベーカリー展、第4回地域食品ブランドフェア、第3回カフェ&ドリンクショー関西2020

 ▽主催=日本食糧新聞社、協同組合全日本洋菓子工業会(関西デザート・スイーツ&ベーカリー展)

 ▽共催=日本惣菜協会(ファベックス関西)、全国和菓子協会、全日本パン協同組合連合会(関西デザート・スイーツ&ベーカリー展)

 ▽会期=10月28日(水)~30日(金)午前10時~午後5時

 ▽会場=インテックス大阪1、2号館(大阪市住之江区南港北1-5-102)

 ▽入場料=5000円(税込み)、業界関係者のみ入場可、招待状持参者・事前来場登録は無料

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