多忙でも読める外食ニュース
●ダイナック新ブランド、続々開発で話題呼ぶ
ダイナックが相次いで新ブランドを出店している。8月に大阪・天満で焼き鳥の新業態「純けい焼鳥ニドサンド」を出店。通常よりも飼育期間が長い雌鶏である純けいを使用し、和・洋・アジアなどの料理が混在する創作系メニューを提供する。また9月には、東京・新宿で既存店をリニューアルし、初となるシュラスコレストラン「&BEEF」をオープン。20種類のシュラスコと50アイテムのビュッフェ料理を用意し、ドリンクはセルフサービスの時間制レストラン。
解説=同社は今春から各ブランドのリニューアルに着手。既存の「鳥どり」や「魚盛」を業態転換するなどして、「焼鳥ハレツバメ」「釣宿酒場マヅメ」「鮨ト酒日々晴々」といった新しい居酒屋ブランドを次々と開発している。
●鳥貴族が株式取得、「大吉」を子会社化
焼き鳥チェーン「鳥貴族」を展開する鳥貴族ホールディングスは、サントリーホールディングスの子会社で「やきとり大吉」のフランチャイズ本部であるダイキチシステムの株式を取得し、子会社化すると発表した。ダイキチシステムは直営店を持たない純粋なフランチャイザーとして「大吉」を全国に500店舗以上展開している。同ブランドは小規模な生業店が多く、「鳥貴族」との共存が可能であり、また社員独立店舗としても活用できるなどシナジー効果を見込めると判断したという。
解説=「鳥貴族」は現在、関西・関東・東海などの大都市圏繁華街を中心として600店舗超の規模を持つため、この子会社化により1000店を超える焼き鳥居酒屋チェーンが生まれることになる。株式譲渡の実行は来年1月の予定。
●メキシコFF「タコベル」、小僧寿しの傘下に
持ち帰り寿司の「小僧寿し」などを展開する小僧寿しが、メキシコ料理ファストフードの「Taco Bell」(以下、タコベル)を子会社化。米国に本部を持つ「タコベル」は2015年に日本に上陸し、企業系列の変化などによりJFLAホールディングスの傘下にあった。会社分割で「タコベル」事業の新会社を設立し、同ブランドを小僧寿しに譲渡するスキーム。小僧寿しは、コロナ禍におけるデリバリー需要の増加などから事業の多角化に転じ、積極的なM&Aを行っている。
解説=JFLAホールディングスの社長である檜垣周作氏は小僧寿しの取締役でもある。また、JFLAホールディングスは子会社であるアスラポートの持ち分を含めて、小僧寿しの株式を10%以上保有する筆頭株主となっている。
●「日式」台湾料理店、東京駅八重洲北に開業
名古屋鉄道のグループ会社で飲食事業を手掛けるメイフーズが、トランジットジェネラルオフィスのプロデュースによる台湾料理の飲食店「日式台湾食堂WUMEI(ウーメイ)」をJR東京駅内の商業施設「グランスタ八重北」にオープン。メイフーズは、静岡・御殿場にある老舗の中国料理店「名鉄菜館」などの飲食店を運営しており、こうした中国料理のノウハウを生かして、「日式台湾」をテーマに日本人の嗜好に沿うようアレンジした台湾料理をカジュアルな食堂スタイルで提供する。
解説=1969年に開業した「名鉄菜館」は、冠婚葬祭のための個室や宴会場なども備えた大型の中国料理店。メイフーズの設立は99年だが、「名鉄菜館」は02年に名鉄レストランより営業を移管され運営を行っている。
●イオンモール土岐開業、大型フードコート充実
岐阜県土岐市に「イオンモール土岐」が開業。テナント数は約140店舗と最大級の規模ではないが、温浴施設や住宅展示場、ゴーカートのサーキット、自動車整備工場を併設したSUV車の販売専門店などが出店し、エンターテインメント性の高い時間消費型の施設構成となっている。全店舗のうち約40店舗が飲食または食物販のテナントで、商業施設における食分野のニーズは衰えていない。オープン型のテラス席や1000席を超えるフードコートなど、食の付加価値を増す演出も充実。
解説=かつては規模の大きさを誇った「イオンモール」も、競合する商業施設に対抗するため来店客を長時間滞留させるテナント構成へと変化している。時間消費型の商業施設では飲食店の利用機会も多く、出店の妙味は増すだろう。
●東海地区に23年ぶり、ロイヤルホスト出店
「ロイヤルホスト」が23年ぶりに東海地区に出店。愛知県名古屋市の「星ヶ丘三越」内で、通常の「ロイヤルホスト」のグランドメニューのうち約6割を提供する。運営はグループ内のロイヤルコントラクトサービスが担当。
●すかいらーく不採算店、約100店を閉店
すかいらーくホールディングスは、地方やロードサイドを中心に収益回復の可能性が低い不採算店舗を約100店閉店すると発表。2022年度上期の決算説明資料などにおいて、下期の取り組みに関する説明の中で開示した。
●「東京チカラめし」、都内最後の店舗を閉店
SANKO MARKETING FOODSが運営する「東京チカラめし」の都内最後の店舗「新宿西口1号店」が閉店した。千葉県鎌ヶ谷市と大阪市にある店は存続する。同店の閉店直前には、閉店を知った利用者が連日開店前から行列をつくった。
●モスバーガー仮想店舗、メタバース上に開店
モスフードサービスは、メタバース(ネット上の仮想空間)に「モスバーガー」初の仮想店舗をオープンした。新商品の「月見フォカッチャ」発売に合わせて、メタバース上の月面空間にある「モスバーガー」店舗を訪れて食事などの仮想体験ができる。
●代々木駅前商店街が、「ブロードウェイ」に
東京・渋谷区の代々木駅近くにある代々木東口駅前商店街が、地道に地域活性の整備を行ってきた一角を「代々木ブロードウェイ」と名付けて公表した。対象は、「ブロードウェイダイナー」や「ほぼ新宿のれん街」、ギャラリーなどを含むエリア。
●「はなまるうどん」、中国から撤退へ
吉野家ホールディングスは、「はなまるうどん」を中国から撤退すると決定した。同国には2011年に進出し、40店舗近くまで拡大したが直近では上海の2店舗を残すのみであったという。これにより同ブランドの海外店舗はなくなることになる。
●ファストフード店に、トレーラー型店舗登場
ウェンディーズ・ジャパンとファーストキッチンが、環境に配慮したトレーラー型店舗の1号店を神奈川県平塚市に出店。この店舗はドライブスルーにも対応し、店が撤退する際に取り壊さずにリユースが可能なため、コストや環境負荷を低減できる。
●クリエイトR、株取得、サンジェルマン買収
クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、ベーカリー「サンジェルマン」を運営するサンジェルマンを連結子会社とすると発表。子会社の北海道サンジェルマンも含め、日本たばこ産業からすべての株式を取得する。株式の取得は12月の予定。
●香港の人気カフェが、東京・原宿に上陸
香港の代表的なカフェメニューであるエッグタルトや香港ミルクティーなどをテイクアウト中心に提供する香港のカフェ「JOY LUCK TEAHOUSE」が、東京・原宿に上陸。日本での運営は、日本と東南アジアとのビジネス支援を行うFor Bridges。
●NYモダンイタリアン、東京にアジア初出店
米ニューヨーク発のモダンイタリアン・レストラン「スカルペッタ」が、東京・神谷町にアジア初出店。同店は2008年の創業、「トマトバジルのスパゲッティ」が看板メニューで、現在は2ヵ国に6店舗を出店している。日本での運営は森トラスト・ホテルズ&リゾーツ。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略