海外通信 外食ビジネスの新発想(59)ロボティックスで効率的オペレーション

2022.12.05 526号 10面
サーモンとアボカドの巻き寿司 9$95¢

サーモンとアボカドの巻き寿司 9$95¢

ウナギとアボカドの巻き寿司 10$95¢

ウナギとアボカドの巻き寿司 10$95¢

マキマキの寿司各種

マキマキの寿司各種

花束のようにカラフルな手巻き寿司の数々。ボリュームもたっぷり

花束のようにカラフルな手巻き寿司の数々。ボリュームもたっぷり

写真6

写真6

寿司キット。スタンダードは110$、プレミアムは150$

寿司キット。スタンダードは110$、プレミアムは150$

店内は清潔で明るい。側面と窓面にはイートインスペースがある

店内は清潔で明るい。側面と窓面にはイートインスペースがある

 ●本格寿司のファストカジュアル

 寿司は、相変わらずの人気。ほんの少し前までは、海苔の黒色に慣れない一般のアメリカ人のために、裏巻きにしたり、海苔の代わりにカラフルなソイペーパーを使ったりしたものだった。今ではそのような工夫をしなくともよくなり、寿司はアメリカの食生活にすっかり根差し、どこのスーパーでも必ずパック入りが買えるようになった。チェーン店も次々にオープンしているが、中でも注目はこの「マキマキスシ」。

 創業者のケヴィン・タカラダ氏は、寿司業2代目の若手だ。お父さんは、35年前にマイアミにサウスビーチ初の寿司店「トニーズ」をオープン、顧客が通う伝説の店として今も繁盛している。息子のケヴィン氏は、2017年にニューヨークに進出、新しいビジネスモデルの同店をオープンした。19年には、ビジネス街のミッドタウンに2店目をオープン。ニューヨークを選んだのは、人口が密集し、寿司の需要が高いからだという。

 機械工学のバックグラウンドを持つケヴィン氏は、スムーズなオペレーションを目指して、洗米機、寿司米ミキサー、寿司カッターなどを導入し、規格化された寿司作りの工程を構築。おかげでいつ行っても安心してクオリティーの高い寿司を食べることができる。ネタはどれも新鮮だ。ハマチ、本マグロ、イクラ、コメ、海苔などはすべて日本から輸入し、サーモンはヨーロッパから輸入している。魚類は、新鮮さを保つため、マイナス60℃の低温で搬送。

 同店のメニューは、カリフォルニア巻き(カニカマ、アボカド、キュウリ)、アボカド巻き(アボカド、キュウリ)の7$95¢から、高いものは本マグロ巻き(本マグロのトロ、シソの葉、キュウリ)の18$。そして、手巻きは、やはりカリフォルニア手巻きとアボカド手巻きの5$から、イクラ手巻き(イクラ、シソの葉)の12$と幅広い。人気メニューは、アボカドとマグロの巻き寿司、スパイシークラブ(カニ)の巻き寿司、およびスパイシーツナ(マグロ)の手巻き寿司(ハンドロール)だ。

 寿司のほか、ハマチのハラペーニョ(6$)、マダイのカルパッチョ(18$)、枝豆(4$50¢)などのアペタイザーやアルコールも用意されていることから、仕事帰りにアペタイザーをつまみに一杯飲むこともできる。ニューヨーク典型の細長い店は、よく考えられたレイアウトで、壁に沿ってスツールを並べたイートインスペースがある。

 同店では、寿司と刺身のキットも全米に向けて販売している。ネタ、コメ、酢、醤油などのほか、巻きすやしゃもじなど、寿司作りに必要なものすべてをセットにしてあるので、家庭でも気軽に寿司を楽しむことができる。

 ●店舗情報

 「マキマキスシ(MakiMaki Sushi)」

 所在地=360 Lexington Avenue New York New York/

 開店=2019年7月

 【写真説明】

 写真6:プレミアムのコンポ 30$本マグロのトロ、ワタリガニ、ハマチとネギ、ウナギとアボカド、サーモンのトロのグリル、サーモンとアボカドの巻き寿司の中から2種類選び、スパイシーシーフードスープか枝豆と味噌汁から1種類選ぶ

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